住友林業緑化、日本貨物鉄道(JR貨物)、川崎近海汽船は3月9日、日本通運と連携し、樹木配送の幹線輸送をトラックから鉄道や船舶へモーダルシフトすることで脱炭素化をめざすサービス「緑配便」を今夏にも本格運用すると発表した。
「緑配便」では、住友林業緑化が低炭素物流で運ぶ樹木・環境資材の販売から都市の緑化工事までを、JR貨物が鉄道輸送による幹線輸送を、川崎近海汽船がRORO船での幹線輸送を、日本通運はトラック輸送をそれぞれ担当する。
輸送には独自開発したコンテナ「Mirai Green Cargo(ミライグリーンカーゴ)」を使用。7m程度の高木や長尺物を運べる鉄道輸送用31フィートコンテナ(9.41m×2.49m×2.64m)で、電動開閉の天蓋、庫内温度の上昇や輻射熱を防ぐメッシュ状の屋根材を採用している。
首都圏などの街づくりに利用する常緑高木は南九州エリア産が多く、トラックによる物流が支えている。「緑配便」は、人材不足やドライバーの高齢化、CO2排出量削減、2024年問題といった諸課題によってトラックでの物流オペレーションが困難になることから開発された。
2021年末~2022年2月には輸送中のコンテナ内環境の植物に対する影響、樹木の積み降ろし、運用方法等を検証するため、貨物列車を利用したトライアル輸送を実施。結果、鹿児島~東京間1509kmの輸送でCO2排出量をトラック輸送比約1トン削減に成功した。
今後は船舶によるトライアル輸送や、樹木以外の輸送の可能性についても積極的に取り組んでいくとしている。
■各企業の役割
住友林業緑化:「緑配便」サービスの企画、取りまとめ
JR貨物:「緑配便」サービスの企画、鉄道輸送、検証
川崎近海汽船:「緑配便」サービスの船舶輸送、検証
日本通運:「緑配便」サービスのトラック輸送+鉄道輸送手配、検証
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