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インターステラテクノロジズ/低価格宇宙輸送へ、新射場着工

2022年09月09日/IT・機器

インターステラテクノロジズは9月9日、初号機打上げを目指して開発を進めている超小型人工衛星用ロケット「ZERO」打上げに対応した新射場「Launch Complex-1(LC-1)」を、北海道大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」内に着工したと発表した。

<新射場「Launch Complex-1(LC-1)」を着工 写真提供:SPACE COTAN>
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インターステラテクノロジズは、宇宙への低価格で便利な宇宙へのインフラを構築し、誰もが宇宙に手が届く未来の実現を目指すスタートアップ企業。観測ロケット「MOMO」は国内民間企業単独として初めて宇宙空間到達を達成、次世代機となる超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発を本格化させている。

「ZERO」打上げに対応した新射場は、北海道大樹町が整備し2023年度に完成予定。建設地は、観測ロケット「MOMO」射場「Launch Complex-0(LC-0)」の隣。打上げ方向の東と南が太平洋にひらかれ、空路や海路が混み合わず晴天率が高いなど、好立地にあるのが特徴だ。

<超小型人工衛星用ロケット「ZERO」>
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「ZERO」は、超小型人工衛星を宇宙空間(地球周回軌道上)に運ぶための小型ロケット(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)。衛星の小型化が進むなか、小型ロケットは大型衛星との相乗りとなる中~大型ロケットに比べ、小型衛星が目的とする軌道に直接運べ、打上げ時期やミッションへの自由度が高いのが特徴。しかも同社は開発費1機あたり6億円以下という低価格化を目指している。

同社によると、世界の宇宙市場は年々拡大しており、2040年には今の3倍近くとなる110兆円の巨大市場に成長すると予測されている。特に衛星を使ったインターネット通信サービスや地球観測などの分野で、小型サイズの人工衛星の需要が大きく伸びているが、その一方で、衛星を運ぶための唯一の手段となるロケットの国内での打ち上げ回数は、年数回程度。

<インターステラテクノロジズのメンバー>
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インターステラテクノロジズは、「ロシアのウクライナ侵攻で世界的に宇宙輸送能力が落ち込むなか、日本国内に自律的な宇宙輸送サービスを構築し、低価格で便利な宇宙輸送サービスを通じ、宇宙利用を加速させ、地球の課題解決に貢献したい」としている。

■新射場「Launch Complex-1(LC-1)」概要
所在地:北海道広尾郡大樹町字浜大樹80番地ほか 商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」内
敷地面積:約2万6800m2
整備主体:北海道大樹町
建設事業者:日本工営、黒川紀章建築都市設計事務所、清水建設、宮坂建設工業による特定建設工事共同企業体

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