川崎汽船は11月28日、伊藤忠商事、日本シップヤード、三井E&Sマシナリー、NSユナイテッド海運の4社と共同で、日本海事協会(ClassNK)からアンモニア燃料船(載貨重量トン20万トン級大型ばら積み船)の基本設計承認(Approval in Principle、AiP)を取得したと発表した。
同アンモニア燃料船は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発/アンモニア燃料船の開発」に共同採択された、「アンモニア燃料船開発と社会実装の一体型プロジェクト」の一環として、日本シップヤードで設計された。
現時点では、アンモニアを舶用燃料として利用するための国際規則が存在していないため、同船の竣工に向けて代替設計承認の取得を見据えている。今回、アンモニアを舶用燃料として使用する際の安全性についてリスクアセスメント(HAZID Hazard Identification Study)を実施し、同船の基本設計は「既存の燃料で航行する船舶と同等の安全性を担保することが可能」と評価された。
今回のAiP取得は、海事関係者の新たな挑戦であるアンモニア燃料船を社会実装するための重要なマイルストーンであるとともに、伊藤忠商事をはじめとするパートナー企業によるアンモニア燃料船開発と世界的なアンモニアのサプライチェーン構築の両面から構成される『統合型プロジェクト』の更なる推進に向けた重要なステップとなる。今後はAiPを取得した基本設計をベースに同船の開発を進め、2026年を目途に竣工・社会実装開始を目指すとしている。