佐川急便は２月１日、日本貨物鉄道と環境に配慮した輸送「飛脚JR貨物コンテナ便」のサービスを開始したと発表した。
佐川急便では、顧客の多様なニーズに応えるためチャーター輸送など宅配便以外の輸送サービスにも注力しており、新たな輸送モードの開発に取り組んでいる。
このサービスは、昨今加速しているカーボンニュートラルへの取り組みに対し、荷主のスコープ3であるサプライチェーンにおけるCO2排出削減に物流事業者として貢献するもので、トラック輸送に比べCO2排出量の少ない鉄道輸送を利用する。顧客の期待が高まるモーダルシフトの一環であるとともに、トラックドライバーの労働時間管理(2024年問題)の解決の一つとなるサービスと位置付けている。
JR貨物は、わが国で唯一の全国ネットワークによる貨物鉄道輸送サービスを提供する鉄道会社であり、このサービスでは得意とする中長距離帯での幹線輸送を担い、さらに貨物駅構内の積替え設備を有効活用することで、物流結節点である貨物駅の機能を向上させ、シームレスな物流を提供する。これらを通じて、トラック輸送に比べCO2排出量が少ないという環境特性や、貨物列車1編成で最大10トントラック65台分の輸送を可能とする労働生産性の高さを生かすことができる。
＜輸送スキーム＞
輸送スキームは、1.佐川急便が荷送人さまのご指定の場所で集荷し、トラックで貨物駅まで輸送。2.貨物駅で荷物をトラックからコンテナに積み替え。3.JR貨物がコンテナを発貨物駅から着貨物駅まで長距離区間を鉄道輸送。4.貨物駅で荷物をコンテナからトラックに積み替え。5.佐川急便が納品先の荷受人さまへ配達。との手順となる。
今後も両社は、環境負荷の低減や労働力不足問題の解消を図るため、物流効率化を着実に進め、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
