三井物産は10月16日、インドネシアで有数の食品輸入・販売および冷蔵・冷凍物流事業を展開するPT Pangan Lestari(PL社)へ出資参画することに合意したと発表した。
PL社は、基礎調味料や現地国民食など消費者の日々の生活に欠かせない食品ブランドを中心に幅広く取り扱い、10か所の常温・冷蔵・冷凍物流拠点を通じてインドネシア全土の大手小売・外食・ホテルなどに供給している。また、PL社は食品卸企業でありながら独自の研究開発拠点を持ち、スイーツやベーカリー関連商品のレシピ提案機能を備えている。
インドネシアは、人口約2.7億人と東南アジア最大で世界でも第4位の人口を誇る。生産人口の割合の高さが経済成長にプラスに働く「人口ボーナス期」は2030年ごろまで続く見込み。また、実質GDP成長率は今後も5%前後で推移すると予想され、将来的に非常に有望な消費市場が形成されている。近年、インドネシアでは中間所得層の増加とともに食の多様化が進み、消費者の需要は量から質へとシフトしており、生鮮食品や冷凍食品、チルド食品などの加工食品の需要が急増している。しかしながら、インドネシアの流通網はまだ発展途上であり、鮮度の確保や効率的な物流が求められている。三井物産はPL社への出資を通じて、流通機能向上や物流効率化を推進し、フードロス削減や交通渋滞緩和などの社会課題解決に取り組んでいくとしている。
三井物産は、国内外における冷蔵・冷凍物流事業や食品卸売事業での知見・経験をもとに、PL社と共に様々な温度帯の商品開発や物流網の拡充を図り、インドネシアの生活者の豊かな生活への貢献を目指す。
■会社概要
会社名:PT. Pangan Lestari
所在地:スラバヤ市、ジャワ島(インドネシア第2の都市/東ジャワ州州都)
設立年:1983年
従業員数:約800名
事業概要:温度帯食品卸事業