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DNP/富士物流とロボット等利用した蔵書点検サービス開始

2023年10月16日/IT・機器

大日本印刷(DNP)は10月16日、図書館向けにRFIDタグを活用した蔵書点検サービスの提供を同月から開始すると発表した。

<蔵書に付与したRFIDタグを読み取る点検ロボット>
20231016dnp 520x434 - DNP/富士物流とロボット等利用した蔵書点検サービス開始

蔵書点検は、「所蔵資料があるべき場所にあるか」「行方不明の資料はないか」を確認する年に一度の作業。本に付与したバーコードやRFIDを手作業で読み取ることが多く、数か月前から計画を立て、1週間程度休館し作業を行なうため、休館時の利用者への利用制限が発生するとともに、作業者の作業負荷や臨時雇用が必要になるなど、効率性の向上が課題となっている。

同サービスでは、富士物流と共同で開発した高出力ハンディリーダーによる読み取りシステムや、専用ロボットを使用。

サービス内容としては、図書館への事前調査、作業設計と準備作業(蔵書点検ルートや手順等の設計、作業員や機材の確保等)、実際の蔵書点検作業の代行(蔵書点検作業~蔵書点検データ作成、不明本リストに基づく現物確認等)を実施するほか、図書館ごとのRFIDの利用状況に応じて、効率的なスキャニング手法を提案。全体の7割以上にのぼるRFID未導入の図書館には、導入支援も行う。

DNPはサービス構築や機器仕様設計を行い、DNPのグループ会社である図書館流通センターと丸善雄松堂を通じてサービスを提供。富士物流は、作業検証、点検作業、機器開発を行う。

サービス価格は、初期費用である作業設計費が30~50万円、作業費が1冊あたり3.5円。

<蔵書点検ロボットを活用した作業>
20231016dnp1 520x693 - DNP/富士物流とロボット等利用した蔵書点検サービス開始

UHF帯のRFIDタグに対応したサービスでは、高出力リーダー搭載の蔵書点検ロボットと、ハンディリーダーのシステムを提供し、派遣した作業員が読み取り作業を行うことで、作業員1人の1時間あたりの読み取り数を、従来の2000~1万冊から6万~7万冊に拡大できる。

東京都にある図書館で行った実験では、従来はハンディリーダーを使い5人体制で20時間(稼働2.5日)をかけて行っていた作業を、2人体制かつ3時間で行えることを実証している。

<専用作業キットを用いた派遣作業員による点検>
20231016dnp2 - DNP/富士物流とロボット等利用した蔵書点検サービス開始

また、HF帯RFIDタグに対応したサービスでは、高出力ハンディリーダーを使用した読み取りシステムを提供し、派遣した作業員が読み取り作業を行うことで、作業員1人の1時間あたりの読み取り数を従来の1000~1200冊から5000~1万冊に拡大することが可能。

こちらも、千葉県の図書館で行った実験結果として、10人体制で16時間(稼働2日)をかけていた作業を、3人かつ8時間(稼働1日)で行えることを実証した。

DNPは、同サービスのほかにも、UHF帯RFIDを活用して図書館内の閲覧履歴を自動的に取得するシステムの開発も進めており、RFIDを活用した蔵書管理関連サービスで2027年度までに累計10億円の売上を目指すとしている。

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