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連載 物流の読解術 第9回 サービスレベルの考え方

2023年12月22日/コラム

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20231220kuse - 連載 物流の読解術 第9回 サービスレベルの考え方

サービスレベルとは何か

物流においては、しばしばサービスレベル(サービス水準)という言葉が登場する。このサービスレベルは、「提供するサービスの品質」を示すことが多い。

たとえば、納品のリードタイム(発注から納品までの時間)を設定するとき、「リードタイムが短ければ、サービスレベル(品質)は高い」ことになる。ただし、リードタイムを厳守できなければ、「目標とするサービスレベル(品質)は高いが、実際のサービスレベル(品質)は低い」ということになる。

サービスレベル設定の考え方

サービスレベルは、受発注時と配送時に分けて考えることができる。

受発注時のサービスレベルにおいて、「受注手段」を、「郵便、電話、ネットで可能」から「ネットに限定」にすれば、受注側の作業は簡単になるが、顧客にとってサービスレベルが低下していることになる。「受注ロット」では、ビール1本ごとの注文は困るので、小売店は「ケース単位や、〇本以上」などとすることが多い。「受注締め切り時間」は、品揃えや配送の時間も考慮して、「前日の午前中までや、前日の17時まで」などと設定することになる。

配送時のサービスレベルにおいて、「リードタイム」では、「翌日配送、翌々日配送、3日後配送」などがある。「時間指定」では、「時間帯指定、午前・午後指定のみ、指定なし」などがある。「付帯作業の有無」では、「軒先渡し、棚入れ」などがある。

これらのサービスレベルによって、「サービスの品質や良し悪し」を判断されることが多いが、いくら高いサービスレベルであっても「守れなければ、元も子もない」。よって、「設定するサービスレベルは、それを維持できる範囲とすること」が重要になる。

サービスレベルと料金(価格)のトレードオフ

トレードオフとは、「一方を優先すれば、他方が不利になる関係」のことである。ここでは、「サービスレベルの高低と料金(価格)のトレードオフ」を考えてみる。

一般に、サービスレベルが高ければ、物流(輸送、保管、流通加工、包装、荷役など)に手間がかかるから、配送料ないし商品価格も高くなるはずである。たとえば、ビールを1本ずつ運ぶ方がサービスレベルは高いが、ケース単位で運ぶよりも、1本当たりの配送コストは高くなる。逆に、ケース単位でなければ受け付けないとすればサービスレベルは低くなるが、配送料ないし商品価格は低くなって当然である。

よって、サービスレベルから考えれば、「1本ずつ買うと高く、まとめ買いは安い」、そして「配送時の指定時刻は高く、指定なしは安く」というのは、当然のような気がする。

始まっているサービスレベルの見直し

いままで我が国では、顧客満足の優先や同業者間での激しい競争のために、適正な料金を取らないまま、当日配送や時刻指定など高いサービスレベルを提供してきた面もある。しかし、最近では、物流に関わる人手不足によって、サービスレベルの見直しが進み、過度なサービスの排除や抑制が進んでいる。たとえば、郵便や宅配便では、従来翌日配送だった地域でも翌々日配送になった例がある。ネット通販でも、当日配達を止めている例もある。

今後も、我が国で慢性的な人手不足が続くとすれば、サービスレベルの見直しは不可欠だろう。そうであるならば、「サービスレベルと料金設定のバランス」は」不可欠になるだろう。ということは、「サービスレベルに応じた対価の支払いも必須になると思うのである。

表 サービスレベルの設定の例

受注時
受注手段    :ネット、電話、ファックス、郵便など
発注ロット   :ケース単位、バラ単位など
受注締め切り時間:前日17時、当日13時など
配送時
リードタイム  :翌日配送、翌々日配送など、
時間指定、   :午前のみ、午後のみ、午前午後指定のみ、指定なしなど
付帯作業    :軒先わたし、棚入れなど

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