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三菱倉庫/国際輸送のGHG可視化と貨物輸送ルート検索実現

2024年02月05日/IT・機器

三菱倉庫は2月5日、顧客のグローバルサプライチェーン全体のGHG排出量の可視化と、貨物輸送ルート検索を同時に実現するシステム「Emission Monitoring Cargo Route Finder」(「Emission Monitoring」)をAmazon Web Services,Inc.(「AWS社」)の協力を得て開発し、本日から提供を開始したと発表した。

Emission Monitoringは、出発地・到着地・物量を入力すると、現実的な船舶・航空機・鉄道他の貨物輸送ルートを複数提案するとともに、それぞれの輸送に係るGHG排出量を算定するシステム。複数の輸送方法とそれぞれのGHG排出量を比較検討したり、貨物輸送ルートの検索エンジン単体としても使用可能だ。

<検索画面>
20240205mitsubishis1 - 三菱倉庫/国際輸送のGHG可視化と貨物輸送ルート検索実現

<地図イメージ>
20240205mitsubishis2 - 三菱倉庫/国際輸送のGHG可視化と貨物輸送ルート検索実現

Emission Monitoringは、入力した出発地・到着地から膨大な量の組み合わせを検討し輸送ルートの候補を作成、輸送日数・距離・GHGの排出量等を計算する。ルート候補については、輸送モード、積港・揚港の組み合わせ、直行便・経由便等を考慮し、現実的で最適な輸送ルートを複数提示する。

特許を取得した独自のルート計算機能により、複数の輸送方法(ルート・手段)とそれぞれのGHG排出量を比較検討することが可能で、その一覧画面では距離や想定輸送日数等も表示される。(特許第7411843号:2023年12月27日取得)詳細画面では地図表示もあり、輸送ルートの違いが視覚的にも容易に確認できる。

また、1.本船・フライトスケジュールの定期更新、2.②直線距離ではなく実態に即した距離計算、3.計算結果をスコア化し非現実的なルートを除外、といった処理により、現実的な輸送ルートのみが表示される。

GHGは、CO2を始めとしてNOx、SOx、CO2eの算出が可能。日本・EU・アメリカ/カリフォルニア州のCO2排出権マーケット金額のほか、ガソリンや電力量など身近な指標に換算した数値も表示することで排出量をイメージしやすくしている。

なお、三菱倉庫では国際情勢の変化や環境意識の高まりに対応するため、ユーザビリティを重視したデジタルプラットフォームの構築により顧客のサプライチェーンマネジメントの最適化に貢献することを目指している。特に気候変動への取り組みは、サプライチェーンを維持するうえで不可欠となっており、顧客からのGHG排出量の可視化と削減提案への強い要望があった。

このため、クラウドサービスの主要プレーヤーでありAI等の先端技術にも知見のあるAWS社をパートナーとして2022年10月からEmission Monitoringの開発に着手。Emission Monitoringは、同社国際輸送デジタルプラットフォーム開発の第一弾となる。

今後の予定では、次期デジタルプラットフォームとの連携により、Emission Monitoringで複数輸送ルートを比較検討後、そのまま運賃見積もりや予約が可能となる機能を実装する。また、顧客の検索傾向を分析し、より関心の高いルートを表示するなど、ルート検索機能を強化するとしている。

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