ESRと熊本県、八代市の3者は6月12日、県南地域の発展に向けて「やつしろ物流拠点構想の推進に関する覚書」を締結した。
同市の企業誘致アドバイザーであるマーキュリーキャピタルを立会人として、熊本県庁で締結式を行った。
<左から、ESR・高橋佑輔氏、熊本県・木村敬知事、ESR・スチュアート・ギブソン社長、八代市・中村博生市長、マーキュリーキャピタル・韓敬三社長、福島誠治副市長>
熊本県が2017年9⽉に策定した「やつしろ物流拠点構想」は、九州屈指の交通結節点としての機能が高まる八代地域(八代市、氷川町)の特性、ポテンシャルを最大限に活かし、同地域に九州の生産拠点を結ぶハブ機能を持たせ、成長著しいアジアをはじめ世界と熊本県をつなぎ、多くのモノや⼈が⾏き交う「九州のゲートウェイ」とすることを目指す構想。
具体的には、企業の誘致と育成、航路・販路の拡大、輸送・輸出入体制の強化と効率化などを進めつつ、国際クルーズ船寄港の増加に伴う関連施策や「くまもと県南フードバレー構想」と連携し、民間投資を呼び込むための取り組みを行っている。
<八代港から九州各主要地点への陸路での所要時間 提供:八代市>
八代市を中心とする八代地域は九州の中央に位置する。県内最⼤の国際貿易港である八代港や、九州縦貫自動車道および南九州西回り自動車道のインターチェンジを備え、九州新幹線「新八代」駅もあり、九州内の主要都市へのアクセスに優れている。また東京・大阪までとほぼ同距離内に韓国、台湾、中国があり、アジア諸国に近接した地理的条件と陸・海の物流インフラを備えている点で、九州のゲートウェイとなりうるポテンシャルを備えている。
さらに2021年に発表された半導体受託⽣産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)社の熊本県進出を契機に、半導体関連産業の進出や増設も進んでいる。
九州が新たなシリコンアイランドとして発展するためにも八代港の機能強化が求められており、2023年に八代市は将来的な成長へビジョンを示し、実現に向けた取り組みを推進。覚書はこうした「やつしろ物流拠点構想」の具現化を図ることを目的に締結したもので、ESRは物流施設の開発・運営で培ったノウハウとアジア太平洋地域(APAC)を中心とするグローバルな事業ネットワークを活用し、構想の実現と熊本県・南九州地域の経済発展に貢献するため、今後、具体的な施策を検討していく。
主な協力内容は、販路拡大への取組みや、国際貿易港を中心とした物流拠点を支えるソフトインフラの充実など。
なお、「やつしろ物流拠点構想」に関する覚書を熊本県および八代市と締結するのは、ESRが初めてとなるが、現時点では同社が開発を行うことは決定していない。
今後、ESR、熊本県および八代市は具現化に向けて情報共有を行い、協議を進めていく。
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