日本通運は6月から、東京発、北海道向け医薬品の海上輸送サービスを拡充した。
取り扱いの3分の1を海上輸送(東京~苫小牧)に切り替えることでモーダルシフトを加速し、2024年問題に対応したサービスの安定供給とCO2排出量低減に取り組む。
<苫小牧港に停泊するRORO船ひまわり8>
新たなサービスでは、東京港から貨物を積んだトラックのみ(無人)をRORO船に乗せ、苫小牧港で下船後は 、苫小牧支店の自社ドライバーが道内の輸配送を担当する。
室温(15~25度)と保冷(2~8度)2つの温度帯の輸送にも対応し、輸送中の温度や位置などデータもタイムリーに提供できるという。
これまでは、東京からトラックで八戸港や青森港まで運び、ドライバーもフェリーに乗船。苫小牧港や函館港に到着後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的だった。
トラックドライバーの時間外労働規制強化による労働力不足が見込まれる中、トラック中心の輸送形態から、鉄道や船舶を利用した形態へシフトする。
輸送の選択肢が増えることで、悪天候などで高速道路や鉄道が使用できない場合にも北海道向け医薬品の安定供給に貢献。
トラックドライバーの負担軽減や労働環境改善につながるとともに、これまでのトラック輸送と比べてCO2排出量は60%以上削減できる試算という。
国交省/中・長距離フェリー、RORO船、内航コンテナ船の積載率動向(2024年4~6月)