YKK APは11月5日、Hacobuのトラック予約受付サービス「MOVO Berth」(ムーボ・バース)を全国の製造・物流30拠点すべてに導入したと発表した。
2023年11月から検討し、2024年1月に2拠点での試験導入とスムーズな運用を確認、全拠点での展開に至った。
「MOVO Berth」導入の効果は、荷待ち・荷役時間の削減だ。先行導入した東北製造所では、1台当たりの平均荷待ち時間(出荷のみ)が、導入時点と比べ43%短縮された。
また、手作業で行っていた荷待ち・荷役時間の管理業務が、データ化により月間43.4時間削減できた。1人当たりの業務時間(月間160時間)で推定すると、業務時間の27.1%が削減できたことになる。
今後は、蓄積されたデータを活用し、時間帯別の入出荷量分析による人員配置の最適化や、車両滞在時間データを用いた構内レイアウトの改善など、データ駆動型の物流効率化に取り組む。
Hacobuが2024年8月に立ち上げた「物流ビッグデータラボ」に参画し、ビッグデータを企業間で共有・分析、異業種間の共同輸配送も検討を進める。
導入の背景には、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が輸送能力不足に影響する「2024年問題」がある。
YKK APが扱う窓やドア、エクステリアなどの商品は、形態やサイズ、重量が多岐にわたり、物流オペレーションの効率化は難易度が高かった。
2016年度から、配送効率を高める新型輸送パレットの開発、2019年度からはトラックの荷台に効率良くパレットを積むための独自システムの開発などに取り組んできて、今回は「MOVO Berth」を導入することで物流改善を加速化させる。
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