栗林商船は4月22日、栗林運輸がシマダヤから依頼を受け、宮城県の工場から大阪府の倉庫まで全行程トラックで行っていた冷凍麺の輸送を、仙台港から大阪港までRORO船に一部切り替えた、海陸複合輸送の取り組みを公表した。
シマダヤは東北地方に主力工場を持ち、陸上輸送から海陸複合輸送に切り替えるには、仙台港を使う必要があった。
栗林商船グループは仙台~大阪間の航路がある唯一のRORO船事業者だったことから、トライアル輸送を経て、2024年3月から本格実施している。車種は13m冷凍コンテナシャーシ、輸送期間は5日間。
シマダヤは、栗林商船グループと一緒に取り組むまでは100%陸路のトラック輸送だった。物流の2024年問題を背景に、輸送経路の複線化によるリスクヘッジ、環境問題を理由に鉄道や海上輸送を始めたいとの考えがあったという。
トラック輸送から海上輸送に転換したことで、シャーシ1台につき積載重量約20トン、仙台港発大阪港着で1台あたりCO2排出量は3.14トンから0.82トンまで削減。月間4.64トン、74%のCO2排出量削減につながった。
海陸複合輸送へのモーダルシフトにより、全区間を陸上輸送する従来の輸送計画と比べて、陸上輸送区間の所要時間は11時間から3時間に短縮され、ドライバーの拘束時間削減にもつながっている。
今後は、積載量増加に向け、シマダヤのトラックでのバラ積みからパレットを利用した栗林運輸のトレーラー輸送に移行し、より効果を大きくしていく狙い。
シマダヤとしても、長距離幹線便はますます確保しづらくなると見て、モーダルシフトによる冷凍食品輸送を積極的に活用していきたいとしている。
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