日本貨物航空(NCA)は5月13日、燃料コストおよびCO2排出量の削減を目的に、フランスのOpenAirlines社が開発したエコ・フライングソリューション「SkyBreathe」の導入を決定したと発表した。
SkyBreatheはビッグデータと AIを活用した、業界トップクラスの革新的なプログラムであり、NCAの脱炭素戦略を力強く後押しし、運航効率の大幅な向上が期待されている。
今回の取り組みは、NCAが継続的に推進している「燃料使用量の適正管理と運航効率向上」の一環。SkyBreatheの導入により、NCAは蓄積された飛行データを高度に分析し、燃料削減の可能性を明らかにすることで、脱炭素化に向けた具体的なアクションにつなげていくとしている。
SkyBreatheは、世界72社以上の航空会社にすでに導入されており、最大5%の燃料削減効果が報告されている。これにより、CO2排出量と運航コストの大幅な削減が期待される。
プログラムは、パイロット、運航担当者、燃節担当者、ディスパッチャー、整備士など多様な関係者が、それぞれの役割に応じた具体的な行動をとることで貢献できるよう設計されており、部門を超えた連携と環境効率を意識した企業文化の醸成を後押しする。
さらに、SkyBreatheに搭載されたAI機能「SkyBreathe Advisor」の活用により、NCAは業界初となる運航効率に特化した AI 支援を受けることが可能となる。このAI支援機能は、SkyBreathe 360°エコ・フライングプラットフォームに統合されており、15万回以上のフライトと10年以上にわたる運航データをもとに、燃料最適化を担うチームが最も効果的な施策に集中できるよう、具体的で実用的なアドバイスを提供する。複雑な分析の自動化、生産性の向上、燃料削減の最大化を実現する。
パートナーシップの一環として、NCAはパイロット向けに開発されたアプリ「SkyBreathe MyFuelCoach」の導入も検討する。同アプリは、各フライトの前後にパーソナライズされたフィードバックを提供し、飛行の環境パフォーマンスに対する理解を深め、改善点を明確にし、燃料消費を抑えるための簡便かつ効果的な手法を実践できるよう支援する。個々のパイロットに最適なアドバイスを提供することで、NCAの運航効率に関する全社取り組みに寄与し、機上での判断や操作を、会社全体の環境・運航目標とさらに連携させていくとしている。