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JLL/東京圏は空室率と賃料共に上昇傾向、米国関税の影響は限定的

2025年05月15日/調査・統計

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ジョーンズラングラサール(JLL)が2025年第1四半期のマーケットサマリーで、ロジスティクス マーケットダイナミクス (東京、大阪、福岡)を発行した。

<需給の推移 東京>
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東京では、2025年の新規供給は7棟合計85万5000m2で、総ストック面積は前期比3.7%、前年比10.1%の増加となった。 神奈川ベイエリアで3物件、圏央道エリアで3物件が供給された。東京圏全体の空室率は10.3%となり、前期比89bps上昇、前年比27bps上昇している。

2025年第1四半期の東京圏の平均賃料月額坪あたりは4677円で前期比0.2%下落、前年比0.9%上昇となった。竣工後の空室期間が長期化した物件で賃料下落が反映される一方で、新築物件の高い賃料が賃料を押し上げる動きは続いているため、賃料上昇のトレンドに変化はない。

見通しでは、Eコマース拡大等による需要拡大と建築コストの上昇が続き、賃料上昇が続くと予想される。金利上昇や物件管理コストの上昇により投資家が保有物件の賃料を増額させる動きが強まると考えられる一方で、空室物件が増えている一部エリアでは賃料下落の可能性もある。米国の関税上昇については、物流施設のテナントの多くが国内を対象とすることから、限定的な影響に留まると見られている。

<需給の推移 大阪>
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大阪では、第1四半期の新規供給は4棟合計33万3300m2で、総ストック面積は735万8000m2で前年比10.3%増加している。4棟のうち3棟は高稼働で竣工した。既存物件で空室消化が進んだが、新規供給物件による空室面積増加で、大阪圏全体の空室率は3.4%となり、前期比58bps上昇、前年比7bps上昇となった。

賃料は月額坪当たり4186円と、前期比1.3%上昇、前年比2.1%の上昇となった。新築物件の高い賃料に追随して、既存物件の賃料が上昇している。賃料上昇を反映し、大阪圏の物流施設の価格(専有単価)は上昇傾向が続いている。

見通しでは、賃貸市場では2025年以降に内陸エリアで新規供給が増え、空室率は上昇すると見込まれる。ただし堅調な需要によって、多くの物件が竣工時には高稼働になるため、空室率の上昇が限定的となり、空室率は5%以下で推移すると予想される。

<需給の推移 福岡>
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福岡では、第1四半期の新規供給は2棟合計8万9300m2で、総ストック面積は160万8000m2と前年比14.7%増加している。福岡圏全体の空室率は4.7%となり、前期比72bps低下、前年比84bps低下となった。

賃料は月額坪当たり3543円と、前期比0.2%上昇、前年比3.1%の上昇となった。新築物件の賃料は上昇が続いており、2-3年前と比較して1割程度上昇している。周辺エリアの賃料水準も追随して上昇しており、テナントの入れ替えによって賃料が1-2割上昇するケースも見られる。

見通しでは、空室のある物件は少なく、多くの既存物件は高稼働が続いているため、2025年は需要ひっ迫の状況が続く見込み。ただし2026年以降に鳥栖エリアで複数の供給計画が予定されており、空室の増加が懸念される、としている。

JLL/東京圏の空室率は上昇しているものの、賃料も上昇傾向

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