商船三井とサムスン重工業(SHI)は6月4日、固体酸化物型燃料電池(SOFC)を搭載したLNG運搬船の設計に対してロイド船級協会(本部:英国)より、基本承認(Approval in Principle:以下「AiP」)を共同取得したと発表した。
<コンテナ化されたSOFCモジュールのイメージ図(出典:SHI)>
2027年に竣工予定の貨物槽容積17.4万m3LNG運搬船にて、通常の発電機に加え、ブルームエナジー製の300kWのSOFCが搭載・運用される予定。
SOFCは発電過程において燃料の燃焼行程を必要とせず、天然ガス、水素、メタノール、アンモニアなどの燃料を直接電気や熱に高効率で変換することができ、必要な燃料消費量およびGHG排出量を削減することができる。また、SOFCは燃料の燃焼行程がないため、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの排出を大幅に削減することができるとともに、メタンスリップも最小限に抑えられる。
SOFCの船舶への導入例が極めて少ない中、同社は2022年からSHIとLNG運搬船にSOFCを搭載するための協議を行い、この度、ロイド船級協会/SHI/ブルームエナジー等と共にハザードの特定(HAZID)および運用性のリスク評価(HAZOP)を実施し、AiP取得に至った。AiP授与式は、2025年6月3日に、国際海事展「ノルシッピング2025(Norshipping2025)」にて行われた。
三菱造船/低圧液化CO2内航輸送船の基本設計承認(AiP)を取得