横河電機の子会社横河デジタルは8月20日、北越コーポレーションの物流子会社、北越物流が、匠の思考プロセスを再現するYOKOGAWA荷積み計画AIを2025年7月から正式採用したと発表した。
従来、出荷時に熟練者である匠(たくみ)が紙製品の形状、出荷地域別に積載効率を最適化していたトラックの荷積み計画作業を行っていた。
出荷作業の効率化を図るため、横河デジタルのAIコンサルタントが匠の思考プロセスをヒアリングし、現場の状況をよく理解したうえで、匠の思考プロセスを再現する荷積み計画AIを独自開発した。
荷積み計画AIは、出荷品、車両、届け先の指定する事項など複雑な条件を考慮しながらも、一度の荷積み計画作業を10秒以内という非常に短時間で正確に立案できることが確認できた。
匠ならではの「気遣い」も盛り込み、ドライバーへの負荷が高まりすぎないよう、各トラックの配送先を出来る限り1か所に集約することや、複数の場合は届け先を近くにし、積載量も考慮したうえで計画立案を行えることが確認できた。
なお、北越コーポレーションは、紙・パルプ製品の製造販売。紙製品の出荷計画は、製品の形状、運搬する車両、届け先からの指定など、さまざまな制約条件がある。
加えて、配送ドライバーの労働負荷が高まり過ぎないように、届け先をできる限り1か所とし、複数になる場合はなるべく近隣にするなどの配慮も必要。
従来の一般的な最適化技術では、目的や制約条件が複雑になるにつれてロジックの組み方の難易度が上がり、計画を立案するまでの時間が長くなり、考慮すべき条件の多さから業務を自動化することが難しく、後任の育成も容易ではないという課題があった。