LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





大王海運/北越コーポレーションに対し、企業価値向上で株主提案

2024年04月25日/SCM・経営

大王海運は4月25日、北越コーポレーションに対し、4月23日、株主提案を行ったと発表した。

大王海運は美須賀海運とともに、北越コーポレーションの株式3491万1500株(2023年12月25日時点での株券等保有割合 18.56%)を共同保有している。

北越コーポレーションは大王製紙の発行済株式の約24.8%を保有しながら、対立関係に陥っていた。北越コーポレーションが保有する大王製紙株式の時価総額は約500億円前後の水準で推移しており、これは北越コーポレーションの連結純資産の20%を優に超える。大王製紙株式の保有で得ているのは配当金のみであり、資本効率性の悪化や連結業績の不確実性を招いている。その問題を大王海運は長年にわたって指摘してきた、と言う。

これに対し、北越コーポレーションは2024年2月、大王製紙との戦略的業務提携について検討を開始する旨を公表した。さまざまな選択肢がありうるなかで業務提携の検討開始を発表するというのは「提携ありき」であり、株主からの批判をかわすための実績作りと映る、としている。

北越コーポレーションの企業価値向上を考えれば、大王製紙との間で共同株式移転の方法により経営統合を行うことがベストであると考える。現在の資本関係のままでは、両社は競争関係にあり、業務提携には限界がある。経営統合が難しいのであれば、大王製紙との資本関係を解消することも選択肢になるはず。北越コーポレーションの取締役会はさまざまな選択肢を真摯に検討すべき。そうしたさまざまな選択肢について議論すべく、北越コーポレーションの社外取締役との面談を申し入れたが、拒絶され、対話の機会さえ得られていない。

大王海運は北越コーポレーションの取締役会が本来の職責を果たさず、むしろ経営陣の自己保身を擁護していると判断し、社外取締役5名の増員を提案することとした。

候補者は経営トップとしての経験、あるいは企業再編・コーポレートガバナンス・コーポレートファイナンス・企業法務などの実践的かつ専門的な知見を備えており、また、北越コーポレーションだけでなく大王海運との間でも資本関係・取引関係等がなく、取締役会の真の独立性と実効性の向上が期待できるとしている。

なお、北越コーポレーションは4月24日、取締役の選任等に関する株主提案の書面を受領したとし、意見については、慎重に検討・審議のうえ、決定し次第、この株主提案の詳細とともに速やかに告知すると発表している。

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース