FーLINEは8月28日、トラックドライバー不足への対応と環境負荷低減を目的として北海道地区での共同配送に鉄道を活用すべく、この9月から鉄道とトラックを組み合わせた「モーダルコンビネーション」のトライアル輸送を実施すると発表した。
取り組みは、北海道地区共同配送拠点(札幌市)から帯広中継拠点(帯広市)までの中距離幹線トラック輸送を鉄道輸送へシフトし、中継拠点から納品先への近距離配送は柔軟な対応が可能なトラックを利用する、「モーダルコンビネーション」の実用性を総合的に評価するためのトライアル輸送。開始は2025年9月を予定している。
労働力不足が懸念されるトラック幹線輸送の安定化を図るとともに、トラック輸送の一部を鉄道に切替えることで、札幌~帯広間の幹線輸送におけるCO2排出量の約43%削減を見込んでいる。
食品メーカー6社とFーLINEの重点取り組みのひとつである「共同配送の推進」において、北海道地区では2016年4月より取り組みを開始し、2023年10月には札幌市と北広島市の2か所に分散していた保管・配送拠点を札幌市内の1か所に集約することで、保管・配送の共同化推進による物流効率化を追求している。
共同配送での納品先の約8割が札幌都市圏に集中する一方で、残る2割は各地方に分散しており、札幌から各地方の中継拠点に向けた中・長距離幹線輸送が必須となる。現状、その輸送手段はトラックが一手に担っており、トラックドライバーなど物流業界の労働力不足が深刻化することで「運べないリスク」の発生は避けられない問題と捉えており、また、カーボンニュートラル実現に向けたCO2排出削減の観点からも課題が残る状況だった。
なお、取り組みは国土交通省「令和7年度モーダルシフト等推進事業費補助金」の申請を行い、交付が決定した。
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