栗林商船は9月4日、内航定期航路の運航船舶を従来の5隻から6隻体制に増強すると発表した。他社で定期傭船していた船舶1隻を10月中旬から自主運航に切り替えることで便数を増加させるもので、具体的な運航スケジュールについては10月度配船予定表で案内するとしている。
増強により日本の物流網の主要幹線である東京~大阪間や、独自RORO船航路の仙台~大阪間などで、これまで陸上輸送を利用してきたトラック事業者などの海上モーダルシフトへのニーズに応える。
同社の定期運航率は98.78%(2024年度実績)を誇り、悪天候・災害による陸路や鉄道が遮断された場合のBCP(事業継続計画)対策・強化にもつながることから、唯一のRORO船事業者となっている仙台~大阪間や、東京~大阪間をはじめとする主要幹線での海上輸送への期待は高まっている。
また、東京~大阪間の陸送で10~12時間を要していたトラック運転時間を、RORO船での海陸一貫輸送に転換することで約3時間に短縮できるなど、トラックドライバーの長時間労働抑制やドライバー不足への対応を進めることができる。
海上モーダルシフトの活用により、東京~大阪間の輸送では、トラック輸送に比べて1台あたり(載貨重量20トン)のCO2排出量を72%、仙台~大阪間では74%と大幅に削減できる。
■増強される航路(いずれも週当たりの寄港便数)
東京港発:大阪港着4便→5便、仙台港着5便→6便、苫小牧港着5便→6便
大阪港発:東京港着4便→5便、仙台港着4便→5便、苫小牧港着4便→5便
仙台港発:大阪港着4便→5便、苫小牧港着5便→6便、東京港着5便→6便
苫小牧港発:大阪港着4便→5便、仙台港着5便→6便、東京港着5便→6便