川崎汽船は9月4日、フランスに設立した子会社OCEANICWINGが開発を進めている風力を活用した自動カイトシステム“Seawing”について、陸上の試験場で300m2サイズのカイトを使用した張力やシステムの性能検証を行い、良好な結果を確認できたことから第一段階(フェーズ1)を6月に終了し、7月から技術確立や実用化に向けた第二段階(フェーズ2)に入ったと発表した。
“Seawing”は自然エネルギーである風力を活用し、新造船のみならず既存船にも搭載可能な汎用性を持ち、LNG燃料船など燃料転換への取り組みとの相乗効果で、CO2排出量の大幅削減を可能とする省エネ設備。
複数の種類がある風力推進補助装置の中でも“Seawing”は上空の風を使って、単体で得られる推力が比較的大きいのが特徴となっている。
開発フェーズ2では、カイトのサイズをさらに大きくして陸上試験場でけん引性能と信頼性の確認を実施する。
今後は、洋上での利用を見据えた操作性と安全性の評価も行った上で、川崎汽船が保有・運航する大型バルクキャリアで海上実証実験を実施する予定としている。
2年程度での試験完了、実用化を目標としており、10%以上の燃料消費量削減効果を見込んでいる。