産業用冷凍機メーカーの前川製作所は11月6日、東京センチュリーが代表事業者として実施するタイ王国での「産業用冷凍冷蔵装置および産業用ヒートポンプ装置の現地導入実証事業」に参画すると発表した。
同事業は、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金に採択されており、タイの日系企業と現地企業計5社に、前川製作所が製造する自然冷媒に対応し省エネ効果の高い「産業用冷凍冷蔵装置」と「産業用ヒートポンプ」を試験的に導入し、その効果を検証するもの。
さらに東京センチュリーの連結会社であるTISCO Tokyo Leasingのリースを活用し、自然冷媒・省エネ機器の普及促進に取り組んでいくことを目的としている。
＜事業スキーム図＞
前川製作所は1924年の創業以来、産業用冷凍機・ヒートポンプ・食品加工機械などの開発・製造・販売等の実績を持ち、産業用冷凍機では世界シェア40％以上を占める（同社調べ）。
地球環境にやさしい自然冷媒技術や高効率な機器など独自のソリューションを強みとし、国内54拠点、海外43か国103拠点（2024年12月末現在）のグローバルネットワークによる海外事業展開や保守メンテナンスなど、サポート体制を構築しているのも特徴だ。
＜前川製作所＞
今回の実証事業を通じ、同社とタイに本社を置くマエカワタイランドは、高効率自然冷媒冷凍機「NewTon（ニュートン）」、空気冷凍システム「PascalAir（パスカルエア）」などの産業用冷凍冷蔵装置と、ノンフロン 熱風ヒートポンプ「エコシロッコ」、水熱源エコキュート「ユニモ WW」といった産業用ヒートポンプ装置を提供する。
＜高効率自然冷媒冷凍機「NewTon（ニュートン）」＞
このうち高効率自然冷媒冷凍機「NewTon（ニュートン）」は、自然冷媒であるアンモニアでCO2を冷却する間接冷却方式を採用した冷凍機。主要機器はすべて自社で開発・製造しており、独自の組み込み技術、制御技術により大幅な省エネルギー性能を実現するという。
実証ではその効果を検証するとともに、環境負荷低減などの利点や有用性について、タイ市場での認知拡大を図る。
さらに現地企業への導入に際しては、TISCO Tokyo Leasingがリースとして提供。これにより、現地企業が初期投資を抑えながら最新の脱炭素ソリューションを導入できるスキームを構築し、商業化フェーズにおいても両社で連携し取り組んでいく。
