CBREは1月31日、2013年第4四半期の賃貸物流施設の市場動向レポートで、首都圏空室率は4.0%と0.3ポイント低下、2013年の年間需要面積は過去最高の21.7万坪になったと発表した。
今期竣工した3棟の大型マルチテナント型施設は3PL会社が借りやすい低めの賃料設定の立地であったことが功を奏して、規模の大きい需要を吸引し、いずれも高入居率で稼働した。
前期竣工の物件でも徐々にテナント決定が進んだことで、空室率低下に寄与し、年間需要面積は21.7万坪と2004年の大型マルチテナント型施設の統計開始以来の過去最高を記録した。
最高水準の需要量がけん引する首都圏マーケットでも、それが全般的な賃料上昇にはつながりにくいとし、3PL会社が荷主との契約を獲得するためにコストを限界的に低く抑えていることがその要因としている。
2014Q1の大型マルチテナント型施設は、12.6万坪と四半期ベースでは過去最大の供給面積になる予定。それにもかかわらず、来期の空室率はQ3時点で予想した「9%台」を下回って7%程度に留まりそう。
今期竣工分の空室在庫が予想ほど積み上がらず、現時点での2014Q1竣工物件のテナント決定状況も想定以上に好調なためである。
2014Q1は大手スーパー・コンビニエンスストアや食品卸などを中心にすでに6万坪程度の新規需要が見込まれている。
近畿圏の大型マルチテナント型物流施設では、空室が消化され再び空室率0.0%となった。2014年春竣工のグッドマン堺は、竣工5か月前の時点で100%リースアップが完了し、旺盛な需要が顕在化した例として好感をもって受け止められている。
近畿圏での新たな開発案件としては、2016年竣工予定のプロロジスパーク茨木が計画発表された。大阪近郊では希少な内陸エリアでの先進的物流施設となるため、新たな需要を創出すると期待される、としている。