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大成建設/高精度に短時間で算定、耐震設計システム開発

2015年04月06日/物流施設

大成建設は4月3日、地震時に構造物が損傷する確率を精度よく短時間で算定し、構造物の安全性を評価する「信頼性設計法に基づく耐震設計システム」を開発したと発表した。

開発した「信頼性設計法に基づく耐震設計システム」を適用することで、想定以上の大地震に対する構造物の損傷確率を精度よく短時間で算定することが可能となる。

このシステムは、大成建設が開発した既往の構造物耐震解析プログラム「TDAP III」に、並列分散処理、統計分析などの機能を新たに整備し、計算処理時間を大幅に短縮。例えば従来1か月程度を要する計算を1日程度で実施できる。

地震の大きさや地盤、コンクリート材料などの特性のばらつきを考慮し、地震により構造物に発生する力、変形量や構造物の強度などを組み合わせた数万回レベルの計算を高速で繰り返すことにより計算精度を向上させ、構造物の損傷確率を算定する。

このシステムの適用により、構造物の受ける損傷の度合いから安全性を精度よく評価するとともに、設計条件のさまざまなばらつきと構造物の損傷確率との関係を分析することで、地震時に構造物の安全性に影響を与える条件などを特定し、合理的な対策を検討することができる。

なお、現在の構造物の耐震設計には、非常に「まれ」にしか生じない想定以上の大地震による被害を計算する手法として信頼性設計法がある。

信頼性設計法では、確率論的方法に基づいて地震時の構造物の損傷確率を算定するが、計算の精度を向上させるためには、数万回に及ぶ膨大な繰返し計算を必要とし、多くの労力と時間を要する。

そのため、現状の実務設計では部分的に安全係数を用いて簡略化された設計法を適用しているが、この設計法では構造物の損傷確率を算定するのが困難だった。

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