LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





首都圏の物流不動産賃貸市場/2020年までの賃料上昇率は18.3%と予測

2015年12月07日/調査・統計

  • 関連キーワード
  • JLL

ジョーンズラングラサール(JLL)は12月7日、物流不動産の今後の需要予想をまとめたレポート「首都圏の物流不動産賃貸市場:揺籃期を脱し、確立・ 成長期に」を発刊した。

レポートでは、首都圏を中心とする物流不動産の賃貸市場について、市場拡大の背景やセクター 別の需要を分析し、2020年までの動向について予測。

<大型先進物流施設の新規供給量(首都圏)>
20151207jll 500x413 - 首都圏の物流不動産賃貸市場/2020年までの賃料上昇率は18.3%と予測

2010年から2014年に竣工した首都圏の先進大型物流施設のテナントをみると、成長モメンタムが続くインターネット通販が床面積合計の17%、3PLは45%とほぼ半分近い面積を占めている。

2015年から2020年に新規供給される首都圏の先進大型物流施設については、インターネット通販市場の成長に伴い裾野が広がり3PLへの集中が加速すると予測し、インターネット通販が新規供給床面積合計の 21%、3PLは50%と予想している。

その他(消費財メーカー、小売業者、宅配便関係など)の成長余地は相対的に低く新規需要も限られ、新規供給床面積に占める比率は低下し、29%に留まると予想している。

当日・翌日配送などクイックデリバリーへのニーズが高まっており、インターネット通販にとって配送のスピードとサービスの質がより重要になっているなど、テナント構成の変化や物流オペレー ションの転換を背景に、物流施設に対するニーズも変化している。特に、「幹線道路や最寄駅へのアクセスの良い立地」、「より大きなサイズ」、「より効率的な物流運営」、「自社保有から賃借への転換」でのニーズが高い。

首都圏の大型先進物流施設の新規供給量は、インターネット通販や 3PLを中心に需要が旺盛 で、アベノミクス効果を背景とした景気回復環境もあり、ディベロッパーや投資家も新規開発プロジェクトに積極的であることから、2015年の34万坪に続き、2016年から2020年までの5年間の 供給は合計で115万坪、年平均で23万坪が新規に供給されると予想している。これは2006年から2014年までの平均15万坪に比べると50%強多い供給となる。

地価や建設コストが上昇しプロジェクト投資額が膨らむ一方、投資マージンも圧縮されている状況から、賃料の上昇を想定しないと開発プロジェクト自体が成り立たない状況となっている。

首都圏での先進大型物流施設の賃料上昇率は、2020年までに合計18.3%となると予測(6年間の年平均上昇率(CAGR)は 2.8%)。また、年平均上昇率は、市場が揺籃期を脱しつつあることや需給面を考慮し、前半の3年間の上昇率が高めとなり3.7%、後半の3年間は同2%成長と保守的にみているが、2020年の月額賃料は、直近のピークである2007年の坪当たり4756円をやや下回ると予測している。

しかしながら、市場自体の構造が大きく変化し、経済合理性や マーケットメカニズムに基づいた形で、確立・成長期となる可能性が高く、さらにモメンタムが継続・加速するとしている。

関連記事

物流施設に関する最新ニュース

最新ニュース