物流ロボティクス時代は必ず来る
Geek+EVEを導入することで、「生産性については、ピッキング速度が300ps/時間ですので、人間のほぼ3~4倍程度のスピードです。ピッキング精度は99.9%と高く、導入までの期間も約3か月で稼働が可能です」と佐藤社長は胸を張る。
加藤社長は「実際にこのロボットの中を見せてもらいましたが、非常にシンプルな構造でした。あるギア部品の説明では、小さなギアは銅製、大きなギアは鉄製となっており、なぜ?と聞いてみました。答えは、同じ材質を使うと両方とも摩耗して取り換えなければならない、片一方をある程度柔らかい材質にしておくと、摩耗したギアだけを取り換えればよい、というものでした。これにはちょっと感動しましたね」と話す。
頻繁な故障が許されない現場で、もし故障してもメンテナンスの簡易さは大きなメリットになる。さらにAIにより、情報を蓄積し、より効率的な動きや判断を学習していく。ピッキングの職人芸をマスターするようなもので、今日より明日、明日よりさらに成長するということだ。
加藤社長は「一度導入すると元には戻れませんね。現在、靴とサンダルのブランドで有名なビルケンシュトックの商品で開始していますが、快適そのものです。現在30台を導入していますが、将来的にプロロジスと共同運営している区画の約3000坪で100台を導入する予定です」と期待を膨らませている。
導入にあたってのメリットとして、佐藤社長は「コストパフォーマンスに優れています。ロボット1台の価格は、年間の1人あたりの人件費とほぼ同額、生産性は人的マニュアル作業の3倍以上となり、ロボットと人の組み合わせにより、さまざまな効果を発揮します。ロボットの購入、稼働、保守、電気料金は2~3年で回収が可能と見ています」という。
今後Geek+EVEの普及のため、両社は連携して進めていく。「まずは、実際の稼働状況を見ていただくことが先決です。多くの見学会を開催していきたいと思います。これまでのロボット化は荷主側からの発想が強く、Geek+EVEは物流事業者側からの視点が濃厚です。私も物流事業者出身ですし、3PL企業さんにぜひ利用してほしいと思っています。日本経済の根幹を支える物流業界をロボット化を進めることで、多少なりともブランディングに貢献したい」と佐藤社長。
加藤社長は「アッカはささげ業務から始まった会社ですが、物流やシステム開発など事業領域を広げていきました。AIやロボット化、IoT化による、先進的な物流施設はすぐそこに来ていると思います。あと数年で当たり前の風景になると思っています。大手だけでなく、中小の事業者も気楽に利用できるプラットフォームづくりをしていきたいと思っています」と話した。
2人の会話からは物流ロボティクス時代はもうすでに始まっているようだ。
■プロフィール
アッカインターナショナル
代表取締役 加藤 大和
1977年 愛知県生まれ
2001年大学卒業後、外資証券会社入社。
不動産投資部門に在職中、欧米で展開されていたフルフィルメントサービスの存在と事業としての魅力を知る。
日本国内での有力なプレイヤーがいなかった点と不動産分野の知見を持っていたことから、2006年会社設立。
http://www.acca-int.jp/index.shtml
ギークプラス
代表取締役 佐藤 智裕
1980年 大阪府生まれ
2003年大学卒業後、大手総合物流会社入社。
物流センターの管理業務に従事し、物量波動、人員不足など労働集約型物流の課題に直面する。
自動化を検討している際に中国ギークプラスの存在を知り、日本での展開を決意。
2017年ギークプラス日本法人として会社設立。
https://www.geekplus.jp
三菱ロジスネクスト、eve autonomy/自動搬送ソリューションで販売協業