矢野経済研究所は7月11日、物流17業種総市場を対象にした市場規模推移などの調査結果を発表した。
<物流17業種総市場規模推移と予測>

調査は、2018年12月~2019年3月にかけて、国内有力物流事業者などを対象に実施したもの。
それによると、2019年度の物流17業種総市場規模は23兆5410億円(前年度比4.1%増)、2020年度は24兆80億円(2.0%増)を予測している。
エレクトロニクスと自動車産業の2大産業が好調に推移することに加え、機械産業や通信販売、医薬品・医療機器、低温食品など成長分野の勢いが持続。さらに、化学品分野が堅調に推移する見通し。
国際物流は、航空貨物と海上貨物の輸送量こそリーマン・ショック前の規模に及ばないものの、金額ベースでの市場規模は拡大基調で堅調に推移するものとみている。
また、複合的な物流サービスの展開が求められるなかで、ラストワンマイル市場について今後の成長を期待。単にモノを運ぶだけではなく、さまざまな生活サービスを組み合わせることで、生活インフラの一端を担うビジネスへの変革が進みつつあるとしている。
さらに、物流業界の人手不足が社会問題化するなか、IoTやAIなどを活用した省力化・自動化といった「スマート物流」の普及がさらに進んでいくとしている。
なお、2017年度の物流17業種総市場規模は21兆4950億円(前年度比6.2%増)と推計。内需では通信販売市場や医薬品・医療機器分野、チェーンストアでの低温食品市場の伸びに加え、東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ・建築向けの物流需要が伸び、堅調に推移した。また、国際物流についても堅調に拡大した。
2018年度の物流17業種総市場規模は、引き続き内需の拡大基調が見込まれることに加え、外需について米中貿易摩擦の影響などがあるものの、国際物流の増加基調が継続すると予測し、22兆6135億円(5.2%増)を見込んでいる。
■調査の概要
調査期間:2018年12月~2019年3月
調査対象:国内有力物流事業者等
対象業種:海運事業、システム物流事業、宅配便事業(国内)、特別積合せ運送事業、普通倉庫事業、フォワーディング事業、一般港湾運送事業、冷蔵倉庫事業、引越事業、航空貨物輸送事業、鉄道利用運送事業、軽貨物輸送事業、国際宅配便事業、鉄道貨物輸送事業、トランクルームおよび周辺事業、バイク便輸送事業、納品代行事業
市場に含まれる商品・サービス:海運、システム物流、宅配便、特別積合せ運送、普通倉庫、フォワーディング、一般港湾運送、冷蔵倉庫、引越し、航空貨物輸送、鉄道利用運送、軽貨物運送、国際宅配便、鉄道貨物輸送、トランクルーム、バイク便輸送、納品代行
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