帝国データバンクが9月13日に発表した倒産・動向速報によると、フォークリフトアームの開発・製造を手がけるTS商事(旧トヨシマ)が9月3日に大阪地裁から特別清算開始命令を受けた。
TS商事は1936年3月に設立。大阪府池田市に本社を置き、フォークリフトアームやコイルスプリング、板バネ、角鋼材などの製造を手掛け、主力製品のフォークリフトアームは国内シェア60%を占めていた。
取引先からの受注が好調だった86年2月期には年売上高約146億1800万円を計上していたが、リーマン・ショック以降は自動車メーカーや産業用車両メーカーなどの海外生産の影響を受けて徐々に売上げが低迷し、2018年3月期(決算期変更)には約50億円まで低下。
直近3期では為替の影響や、中国での生産コスト上昇などによって当期純損失を計上しており、リストラ策を講じたものの収益回復には至らず、2017年3月に金融機関へリスケを要請。地域経済活性化支援機構の支援を受けて再建を目指すなか、2018年5月には同機構が再生支援を決定し、イチネンホールディングスが事業再生スポンサーとなり、2018年8月に会社分割によって事業を承継させていた。
その後は資産売却などを行っていたが、処理に目途が付いたことで、1月31日に株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
負債は金融債務を中心に約30億円。