丸紅とZMPの合弁会社であるAiROは10月26日、成田国際空港の制限区域内において、11月10日~12日の3日間、自動走行貨物牽引車による旅客手荷物や貨物の輸送を想定した実証実験を実施すると発表した。
実証実験では、貨物牽引車が成田国際空港第2ターミナル本館からサテライトおよび駐機場までの区間を、運搬用コンテナ4台を牽引して往復する。複数のセンサーで自己位置や周囲の状況を認識しながら、事前に取得した高精度走行マップに沿って自動走行する。AiROは、日本航空の協力のもと、この実証実験を通じて、自動運転技術および無人運転を想定した遠隔監視システムの検証を行う。
AiROは国土交通省が推進する「空港制限区域内の自動走行に係る実証実験」の取り組みのもと、2019年より3度、ミニバンやバスを用いて空港制限区域内における自動走行の実証実験を行ってきたが、実証実験では新たに開発した「ZMP 製CarriRo Tractor 25T(キャリロトラクター)」を使い、初めて貨物牽引車の自動走行を行う。
生産年齢人口の減少に伴い、空港における労働力不足が進んでいる。貨物牽引車による旅客手荷物や貨物の輸送は運行頻度が高く、作業員を長時間拘束することからグランドハンドリング業務のなかでも省人化効果の高い業務。AiROは、将来の航空需要の回復を見据え、効率的な空港オペレーションの実現に向けた技術検証と課題抽出を進めていくとしている。