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物流企業の新型コロナ対応動向調査/55.2%の企業で社内発生

2021年02月05日/調査・統計

日本物流団体連合会は2月5日、「物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査報告書」を公表した。

それによると、感染症の物流への影響では、過半数(55.2%)の企業が社内(グループ企業を含む)で発生。初の感染者確認は3月でホームページに公表、社内で発生しなかったものの、協力会社での発生は約1割。確認できた範囲では、現場で発生(29社中6社)が事務系(29社中3社)を上回った。

上半期業務概況では、2020年4~5月の緊急事態宣言時には、不要な外出自粛や移動が制限されたため、一部 BtoC 輸送では大幅に
増加したとの回答がみられた一方、B to Bの輸送・倉庫部門に減少が際立った。

総合物流の減少品目は、鋼材、自動車部品、住宅関連、アパレル、酒類等が挙げられた。増加した品目は、小売店、家庭用食品、EC 通販、医療関連、緊急支援物資など。

感染症への対応対策では、出社率が現場は29社中2社(6.9%)のみ目標出社率を設定、残り約9割は設定せず原則出社。事務系業務は 29 社中 10 社が設定するも、設定率は 20~90%と各社でかなり幅がある結果となった。

今後の影響では、今期は国内の輸送部門(B to B)の業績見通しは悪化(減少)するとの回答が約7割と高い結果となったが、来期は、回答者の約3分の1は増加するとみている。

非接触・非対面の対応では、ヒアリングでは倉庫、内航船、トラックなど多くの現場作業では、サイン・押印など紙ベースの仕事があることが確認されたことから、これを機に関係者間での調整が進むことが期待される。事務分野における送り状や納品伝票の電子化、ペーパーレス化が進めば、現場における作業の効率化にもつながることが期待される、としている。

なお、この調査はBCP(事業継続)の観点を中心に調査を実施したが、事態の長期化が避けられない状況になりつつあるなか、多くの会員企業からのヒアリングを通じ、物流業の今後について、1.テレワークの現業も含めた広範囲での活用、2.紙ベースのワークフローの見直し、3.季節性の高い自然災害との複合災害のリスクへの備え、4.個社での対応から企業間連携での対応の必要性、5.リードタイムに余裕をもたせる等、荷主や社会からの理解と協力の必要性など具体的な方向性も含めて、事業者の声をまとめたもの。

調査報告書では、「感染症の物流への影響」「感染症への対応と対策」「今後の影響と求められる対応」の3章でまとめ、参考資料としてアンケート調査票を掲載している。

■物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査報告書
https://www.butsuryu.or.jp/asset/51558/view

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