日通総研は12月24日、2021・2022年度の経済と貨物輸送の見通しを公表した。
それによると、国内貨物輸送の現状と見通しについて、2021年度上期は5%近い増加も、下期は小幅なマイナスに。下期は、消費関連貨物および生産関連貨物が引き続き堅調に推移する一方、建設関連貨物が下押しし、トータルでは1%強のマイナスに。年度全体では1.7%増と、5年ぶりにプラスへ転換としている。
2022年度は1.3%増と、2年連続のプラスになると見込んでいる。消費関連貨物には通期で1.4%のプラスが見込まれるが、コロナ前(2019年度)の水準には遠く及ばず。生産関連貨物には5%近い伸びが期待できるが、2019年度の水準には届かず、としている。
鉄道輸送では、夏場における輸送障害などにより、2021年度は0.2%減。2022年度は2.5%増になると見込んでいる。JR車扱の2021年度は0.2%増、2022年度は0.6%減と小幅な減少に
なると見込んでいる。
自動車輸送では、2021年度の営業用自動車は前年度大幅減の反動により2021年度は1.1%増と2年ぶりにプラスへ反転。個人消費、設備投資、鉱工業生産の回復に伴い、消費関連貨物および生産関連貨物は総じて堅調に推移。
2022年度は公共投資や住宅投資の伸び悩みなどから建設関連貨物は低調となり、トータルの輸送量は2.2%増にとどまる。
特別積合せ貨物(24社分)の2021度は、個人消費や設備投資の増加などを受け、トータルでは3.2%増と2017年度以来のプラス反転。宅配便は引き続き好調。日用品、農水産品、食料工業品などの消費関連貨物も堅調に推移。
2022年度も個人消費や設備投資がいくぶん加速する中で、宅配便などを中心に1.5%増と堅調。
内航海運の2021年度は、前年度における大幅減の反動に加え、生産の持ち直しなどを受け、7.3%増と2013年度以来8年ぶりの増加に。2022年度も1.1%増と2年連続の増加に。
国内航空の2021度は9.4%の増加に。2022年度は・2年連続の増加ながら、供給力の大幅な増強が期待できない中で、1.8%増にとどまる、としている。
なお、2022年の世界経済成長率は 4.9%増(IMF)、日本経済の実質経済成長率は3.0%増としている。
■2021・2022年度の経済と貨物輸送の見通し
https://www.nittsu-soken.co.jp/report