商船三井は3月3日、日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」の命名・進水式が三菱重工業 下関造船所 江浦工場(山口県下関市)で同日に行われたと発表した。
「さんふらわあ くれない」は、商船三井が三菱造船に発注した日本初のLNG燃料フェリー2隻のうちの1番船。2022年12月に三菱造船から引き渡しを受けた後、フェリーさんふらわあが運航する大阪~別府航路で既存船の代替として2023年1月に就航を予定している。
同船は、国内フェリー初となるLNGと重油を燃料として使用できる高性能Dual Fuelエンジンを搭載。LNG燃料を使用することで、温室効果ガスの排出量をCO2で25%、硫黄酸化物(SOx)で100%、窒素酸化物(NOx)で85%削減する効果が見込める。
また、既存船に比べて貨物輸送と旅客輸送の両面で輸送力と利便性を向上しており、貨物輸送ではトラックの積載台数を大幅に増やし、ドライバーズルームも拡充。旅客輸送では大浴場の面積を2倍に、レストランの席数を1.5倍に拡大するほか、3層吹き抜けのアトリウムをはじめとしたゆとりある開放的なパブリックスペースを設置するなど、「カジュアルクルーズコンセプト」をさらに拡充する。
商船三井グループは、「2050年までにネットゼロ・エミッション達成」を目標としており、2030年までにLNG燃料船を約90隻投入する予定。フェリー事業では「さんふらわあ くれない」、2番船の「さんふらわあ むらさき」に続いて最新鋭のLNG燃料フェリー2隻を建造し、商船三井フェリーが運航する大洗~苫小牧航路で、既存船の代替として2025年に就航させる予定。