CBREは4月28日、大型マルチテナント型(LMT)物流施設の国内市場動向に関するレポート「ロジスティクス マーケットビュー Q1 2022」を発表した。
それによると、2022年度第1四半期の首都圏LMTの空室率は4.4%(前期比2.1%増)となった。
新規需要は安定しているものの、26万坪と四半期ベースで2004年の調査開始以来最大となる大量供給の影響で、2019年度第1四半期以来の高い空室率となった。
実質賃料は4520円/坪(1.1%増)で、賃料水準の高い市街地に近い立地で複数の物件が竣工したことが平均を押し上げた。
エリアごとの空室率と実質賃料は、東京ベイエリアが空室率13.2%(12.7%増)、実質賃料4520円/坪(1.1%%増)。外環道エリアが空室率0.9%(1.5%減)、実質賃料5190円/坪(0.2%減)。国道16号エリアが空室率5.4%(2.4%増)、実質賃料4510円/坪(0.9%増)。圏央道エリアが空室率3.1%(2.2%増)、実質賃料3620円/坪(0.6%増)。
東京ベイエリアで空室率が大幅に上昇しているが、これは新規供給のあった1棟が空室を抱えて竣工した影響によるもので、既存物件に空室はほぼ無い状況が続いている。
近畿圏LMTの空室率は2.1%(0.9%増)、実質賃料は4110円/坪(0.2%増)となった。テナントニーズは底堅く、大阪府内陸部を中心に賃料は上昇基調にある。
中部圏LMTの空室率は4.6%(0.5%減)、実質賃料は3590円/坪(横ばい)となった。今期の竣工物件は無く、複数の既存物件で空室の消化が進んだ。製造業のサプライチェーンの変化によりテナントの動きが活発化している。
福岡圏LMTの空室率は0.0%(増減なし)、実質賃料は3260円/坪(0.3%増)となった。今期の竣工物件は無かったが、2022年中に供給が予定されている8棟のうち5棟がすでに満床となっており、その他の竣工予定物件でもプレリーシングが順調に進んでいる。今後も安定的な需要が見込まれることに加え、首都圏や近畿圏よりも用地の確保が容易なことから、デベロッパーの開発意欲が旺盛な様子。
CBRE/首都圏の大型マルチ型物流施設の空室率は9.7%と横ばい