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三井不動産/最高ランクのグリーンエネルギー倉庫が海老名に竣工

2022年09月20日/物流施設

三井不動産は9月20日、神奈川県海老名市で「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)海老名I」を竣工した。

< MFLP海老名I 外観>
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<位置図>
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「MFLP海老名I」は、首都圏と近畿圏・中京圏とを結ぶ新たな広域物流拠点。圏央道「海老名IC」と隣接しており、首都圏の主要エリアへの抜群のアクセスを誇る。また、JR相模線・小田急電鉄小田原線「厚木駅」からも徒歩11分と通勤利便性に優れ、人材確保にも有利な立地だ。

<ロジスティクス事業部事業グループの田中耕一郎統括>
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同社ロジスティクス事業部事業グループの田中耕一郎統括は「この物件は、わが社のフラッグシップという位置づけで建設した。グリーンエネルギー倉庫として非常に環境に力を入れており、また高速道路からも見える立地にあることから、外観や内装、外構などにいろいろなデザイナーを起用し、デザインにもこだわった。入居するテナントからも好評をいただいている」と説明。

<有機的なデザインの外観ファサード>
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<高速道路からもよく見える立地>
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同施設の特徴は、自然を取り込むデザインと確かな設計・施工。建物デザインを手掛けたのは、オーストラリアのデザイン事務所JACKSON TEECEで、「Organic Flow」を外装デザイン・コンセプトに、有機的なパターンを抽象化したファサードとなっている。また、建物東側の事務所棟は、緑化バルコニー付の高天井オフィスが連なり、快適なワークプレイスを提供している。

<倉庫エリア>
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倉庫エリアは約6000坪。4階までのスムーズなアプローチを可能とするダブルランプ仕様であり、40フィートの大型トレイラーにも対応できる余裕のあるトラックバースを設けている。また、72時間対応の非常用発電機や、免震装置、洪水時を想定した地盤高さの設定など、災害時を見据えたBCP機能も充実している。

<サブラウンジインテリア>
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<スカイラウンジインテリア>
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ラウンジは、木の肌色をいかし、明るさと親しみやすさ、外の風を感じるような空間デザインに。

<最高ランク「ZEB」認証を取得>
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「MFLP海老名I」のもう一つの特徴は、最高ランク「ZEB」認証を取得した「グリーンエネルギー倉庫」であること。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物のことで、省エネと創エネによって、CO2出量を実質ゼロにするもの。同施設では各種の創エネと省エネの取り組みにより、建物全体の基準排出量と比較して122.6%のCO2削減を実現。また事務所部分については、地中熱ヒートポンプやデシカント空調といった省エネアイテムを採用することでCO2排出量を50%以上削減している。

<事務所等設備イメージ図>
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省エネにおいては、直径約15cmの杭44本を地下約100mまで打ち込み地中熱を活用することで空冷エアコンに比べ30%以上の省エネ効果のある「地中熱ヒートポンプ」、湿度と温度が別々に調整可能であり、標準エアコンと比べ20%程度の省エネ効果のある「デシカント空調」、LED照明等の省エネアイテムを採用。

<屋上に設置された太陽光パネル>
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創エネにおいては、屋根に太陽光発電設備(設備容量:約2000kW、発電量:約220万kWh/年)を設置し、発電電力を共用部およびテナント専有部へも供給する。さらに、隣接する海老名運動公園との緩衝帯にグリーンインフラを整備。敷地全体の20%、約1万m2を緑地化し、約1500本の高中木、約1万5000本の低木類等を植え「海老名の森」を創出した。海老名運動公園との境界には公園側から借景となる桜並木を構築し、地域の景観にも配慮し、景観に配慮した水辺空間を整備。最大貯水量2100m3の雨水貯留池を設置し、敷地内の雨水を一度貯留し、緩やかに外部へ排水する。

<スケルトン天井の事務所スペース>
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<スカイデッキ>
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共用部では、働きやすい環境づくりを行うことで、従業者確保の促進に貢献。スケルトン天井の開放感あるワークプレイス(天井高3.5m)や、WEB会議にも対応した個人ブースを設けるなど、新しい働き方をサポート。このほか、建物東側の事務所棟バルコニーやスカイデッキには緑化を施し、最上階には相模川越しに丹沢連峰や富士山を一望できるラウンジを配した。

スカイデッキには、ロジスティクス業界で初めて、スノーピークビジネスソリューションズ監修により入居企業が自由に使えるアウトドアアイテムを設置。ラウンジシェル(リビング型テント)の中にはローテーブルとチェアを設け、屋外の会議などにも利用できる。

同施設の敷地はもともと、長く採石場として使われていた跡地。「縁があって土地を取得しましたが、圏央道の海老名ICに近く、物流施設が良いのではとなり、開発に至った」という。同社の先進的な物流施設ではあるが、賃料については、概ね地域水準と同等を想定。「今回の入居者には冷凍・冷蔵倉庫の要望はありませんでしたが、このところ冷凍・冷蔵倉庫の需要は非常に多くなってきました。冷凍・冷蔵倉庫でもマルチテナント型を狙っていますが、事業機会を検討しています」と田中統括は話す。

なお、三井不動産では、今回初めての取り組みとして、9月25日に使用開始前の「MFLP海老名Ⅰ」を近隣の子供たちや住民の方々に開放し、学びの場として提供するイベント「海老名SDGsフェスタ2022」を開催する。

「倉庫はなかなか住民の方には馴染みがない施設。そこで住民の皆さんに自由に来て見学してもらえるよう、海老名市にも協力していただき、防災や教育、地域連携などのお役に立てるよう企画した。ぜひ来ていただきたい」と田中統括。イベントでは倉庫ヨガやスタンプラリー、焚火体験などを実施予定。同社は今後も、海老名市と連携を図り、単なる配送拠点ではなく、地域に開かれた学びの場を提供する施設となることを目指した取り組みを継続するとしている。

■施設概要
名称:三井不動産ロジスティクスパーク海老名Ⅰ(MFLP海老名Ⅰ)
所在:神奈川県海老名市中新田3290-38ほか
敷地面積:5万4847m2(開発区域面積5万6543m2)
延床面積:12万2180m2
規模・構造:6階建て・鉄骨造・免震構造
設計者・施工者:日鉄エンジニアリング
着工:2021年5月6日
竣工:2022年9月20日

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