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武蔵野ロジスティクス/CO2冷媒で冷凍倉庫の電力消費量30%削減

2023年04月11日/物流施設

武蔵野ロジスティクスは4月11日、日立プラントサービスと日本熱源システムとの協創を通じて、同社初の大型冷凍倉庫「首都圏フローズンセンター」(埼玉県入間郡)内に、日本熱源システム製のCO2冷媒冷凍機8台を含む省エネルギー型の冷凍設備を構築し、従来のフロン冷媒冷凍機使用時と比較して電力消費量を約30%削減したと発表した。

<武蔵野ロジスティクスの大型冷凍倉庫「首都圏フローズンセンター」外観>
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日立プラントサービスは、空調・産業プラント・水処理設備などを提供する総合エンジニアリング企業。なかでも大型冷凍・冷蔵設備は約90年にわたり設計・施工を手掛けてきた。日本熱源システムは、大型冷蔵機メーカーとして1987年に創業以来、大型施設の空調用、化学・食品工場などの産業用に冷凍機の製造・販売を行っており、CO2やアンモニアなど自然冷媒を用いた環境配慮型の冷凍機に注力している。

同センターは、2022年7月から稼働開始。武蔵野ロジスティクスとして最大規模(延床面積1万1503m2)の大型冷凍倉庫で、庫内の最適なレイアウトと運用により、マイナス25度の低温帯と収容能力の最大限の活用を実現した。これにより電力消費量約30%削減と高い省エネルギー性能を確認しており、これは冷媒漏洩による影響も含め、年間CO2排出量2020トンの削減に相当する。

<用途別の対応可能範囲>
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自然冷媒であるCO2は、ODP(オゾン層破壊係数)がゼロ、GWP(地球温暖化係数)は1に留まる(フロンの数千分の一に相当)。従来のフロン冷媒冷凍機に比べて、20%以上の省エネ効果が期待できマイナス45℃~0℃(最適運転範囲)、0℃~15℃(対応範囲)まで、幅広い温度帯への適用が可能だ。また、クーラーの下吹き出し構造と気流の自然循環を活用した設計により、クーラーの台数を削減し、奥行きのある倉庫でも使用可能なスペースを最大化できるのも特徴だ。

<配置イメージ>
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日立プラントサービスと日本熱源は2020年10月から協業を開始しており、日立プラントサービスが有する冷凍・冷蔵設備のエンジニアリング(設計・施工)・メンテナンスサービス・リニューアル技術と、従来のフロン冷媒に比べて環境負荷が少なく省エネルギー性能に優れるCO2冷媒冷凍機を組み合わせて、環境に優しく高効率な冷凍・冷蔵設備を一括して提供している。

両社は、今回の武蔵野ロジスティクスにおける納入実績と高い省エネルギー効果をもとに、冷凍・冷蔵設備向けの次世代ユーティリティの提供を加速し、脱フロン・低炭素社会の実現に貢献していくとしている。また日立プラントサービスでは、クラウド基盤を活用した遠隔監視システムを開発しており、日本熱源システムの冷凍機にオプションとして実装する予定だ。

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