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ヤマト運輸/三菱ふそう2tEVトラック900台を全国に導入

2023年09月12日/3PL・物流企業

ヤマト運輸は9月12日、三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)が開発した電気小型トラック「eCanter」新型モデル約900台を、この9月から全国に順次導入すると発表した。

<3台並んだeCanter>
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<eCanterの前で長尾社長(右)とカール・デッペン社長兼CEO>
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この「eCanter」新型モデル導入に伴い、そのお披露目会が群馬県高崎市の同社高崎正観寺営業所で、同社の長尾 裕社長とMFTBCのカール・デッペン社長兼CEOらが参列して行われた。

<長尾社長(右)とカール・デッペン社長兼CEO>
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挨拶に立った長尾社長は「当社にとってはMFTBCさんとは長い付き合いがあり、2017年には初代ecanterを実験的に導入している。今回2tサイズということで、ラストワンマイルの主力サイズになる。先日、日野さんのウォークスルータイプの1t車を導入したが、これは住宅密集地用で、2t車はこの高崎市のような住宅地、商業地等の混在したような地域に向いているタイプで一番のボリュームゾーンとなる。MFTBCさんには、こちらの様々なニーズに応えてもらい、レスポンス良く素晴らしい車を開発してくれた。ヤマト運輸は3年後に宅急便誕生50周年を迎える。ご承知のように物流事業は非常に大きなGHG(温室効果ガス)を排出する事業。引き続き環境に対して取り組みを強化し、着実に行うことで、持続可能なビジネスにしていきたい」と導入の意義を語った。

同社にとっては900台のEVトラック導入は過去最大の導入台数となる。充電設備については、現在方式が様々な中で、今回は普通充電を採用しているが、できるだけ規格統一を視野に入れた取組を図っていく予定だ。また、拠点のリニューアルに伴い、再生可能エネルギーを利用した形で設置していく予定だが、拠点すべてに導入するというものではなく、地域の特性に合わせて展開する、としている。

MFTBCのカール・デッペン社長兼CEOは「第3世代のeCanterをヤマト運輸さんに導入することができ素晴らしい1日となった。2017年の初代eCanterを世界で550台、日本で190台を販売してきたが、このうちヤマト運輸さんは25台を導入していただいた。あれから6年。eCanter史上最大の900台の受注となった。ヤマト運輸さんはeCanterを全国展開する第1号企業。そして、FUSOグリーンリースを世界に先駆けて導入する企業第1号でもある。ダイムラートラックグループとMFTBCは2039年までに国内商品ラインナップを全てバッテリーと燃料電池にすることを掲げている。ヤマト運輸さんは2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指しており、MFTBCが少しでも貢献できることを誇りに思う」と述べた。

MFTBCでは900台の受注を得て、今後の増産計画も進めている。国によるEV補助金の増額も見込まれているだけに、1~2年の計画ではなく、10年単位での計画とのことだ。また、今回は2t車だが、8t以上まで対応できるとしている。

<走行中のeCanter>
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<充電の様子、車後方に充電口を設けている>
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なお、車両の特徴は、GHGを排出せず、振動や騒音が少ない環境に配慮した車両としている。都市部や住宅街での集配業務に適しており、安全性や作業効率に考慮された構造。常温・冷蔵・冷凍機能の3室を備え、3温度帯に対応している。車幅が狭く、コンパクトで小回りが利くため、街中での配送に適している。充電口が車両後方にあるため、日々の充電や荷室からの荷物の出し入れがしやすい仕様としている。

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