ヤマト運輸は10月2日、京都府八幡市の「八幡営業所」を、再生可能エネルギー由来電力(再エネ電力)を活用したエネルギーマネジメントを行うモデル店として本格稼働させたと発表した。
同営業所では、集配車両32台すべてがEV(日野自動車「デュトロZ EV」21台、三菱ふそうトラックバス「eキャンター」11台)で、同社で全国初となるEVのみで稼働する営業所となっている。
建屋の屋根に設置した太陽光パネルで日中に発電した電力を、蓄電池によって建屋電力やEV充電などに活用することが可能。
また、電力平準化システムを導入し、夜間のEV一斉充電による電力使用ピークの偏りを緩和するなど、エネルギーマネジメントを行うことで、サステナブルな物流を実現する。
営業所内は全てLED照明を採用しており、省エネにも取り組む。
ヤマトグループは、2050年温室効果ガス(GHG)自社排出量実質ゼロ、2030年GHG自社排出量48%削減(2020年度比)の実現に向けて、EV2万台の導入、太陽光発電設備810基の導入、ドライアイス使用量ゼロの運用構築、再エネ電力の使用率を全体の70%まで向上するという主要施策を中心に、各取り組みを進めている。一方、EVを導入するうえで、電力使用量の増加や、夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題があった。
このたび、八幡営業所に全車両EVの導入が完了し、蓄電池や関西電力グループのAI搭載自動充電システム「ぴたっとCharge」などを活用し、エネルギーマネジメントを行う営業所として本格稼働を開始。これにより、夜間のEV一斉充電による電力使用ピークの偏りを緩和するなど、EV導入の課題を解決するとともに、サステナブルな物流の実現に寄与していく。
今後、ヤマト運輸はサステナブルな物流の実現に向け、引き続きEVや太陽光発電設備の導入、再エネ電力の使用率向上などを進めるとともに、複数のEV運用オペレーションを想定したエネルギーマネジメントの検証を進め、サステナブル経営を強化していくとしている。
■ヤマト運輸 八幡営業所
所在地:京都府八幡市八幡久保田11
営業時間:8:00~21:00