コクヨロジテムは10月3日、循環型社会を目指す取り組みとして、京都工芸繊維大学所属の学生と共に廃棄家具のアップサイクルに挑戦したと発表した。
<コクヨロジテムが回収した廃棄チェアの脚羽を使用したオフィス家具>
コクヨロジデムは、コクヨのオフィス家具を中心に取り扱う物流会社。同社グループが10月から本格始動した循環型事業の一翼を担っており、「捨てない社会」を目指し、不要な家具の引き取り事業を行っている。
そこでは引き取った家具を中古家具として再販売し(リユース)、再販売できないものは分別し再資源化する(リサイクル)など、捨てないための工夫を行っているが、廃棄されてしまうものもあり、まだ使える可能性のあるものを廃棄してしまうことに対して「もったいない」と感じていたという。そこで、「廃棄家具を用いて新しいものを生み出してみたい」という京都工芸繊維大学所属の学生とともに、廃棄家具のアップサイクルに挑戦することとなった。
同取り組みでは、コクヨロジテムが回収した廃棄チェアの脚羽を使用して、京都工芸繊維大学Giiデザインユニット所属の学生2名(藤田遼雅、亀田海里)がオフィス家具をデザイン・制作した。
制作にあたり、学生2名はコクヨロジテムの配送センターで廃棄家具の見学や社員との交流を行い、加工・流通の仕方まで視野に入れてデザインする視点など学んだという。同社は、アップサイクルのプロジェクト全体を通して「学生の視点に触れ、サプライチェーンの上流であるデザインに、下流である物流も影響力を持てるのだと改めて認識することができた」としている。
アップサイクル後の作品については、全社員でサステナビリティ意識を高めることを目的としたコクヨグループ主催のイベントや、社外への物流業界の魅力発信を目的としたコクヨロジテム主催のイベントでの公開を予定している。
今後、廃棄家具のアップサイクルを企業として事業化するには品質保証等の課題も残るが、今後コクヨロジテムはコクヨグループ内で連携を取りながら、「捨てない社会」・循環型社会を目指す取り組みの可能性を模索していく考えだ。