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大和ハウス他/物流データ活用、ヒヤリハット防止等入賞者決定

2023年11月02日/IT・機器

大和ハウス工業とロジスティード、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は11月1日、物流データを活用したコンテスト「スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」の結果発表と表彰式を、羽田イノベーションシティで開催した。

<表彰式の様子 前段左から大和ハウス 浦川常務、最優秀賞の西村さんと岩永さん、フレームワークス 秋葉会長、後列左から羽田みらい開発 加藤篤史SPC統括責任者、優秀賞の亀田さん、特別賞の柳原さん、優秀賞の國府さんと大野さん、ロジスティード 佐藤専務>
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コンテストは2014年から開催しており今回で4回目。ロジスティードの特別協力により安全運行管理ソリューション「SSSVーSafety」から得られるドライバーのバイタルデータやドライブレコーダーのビッグデータを利用し、2024年問題など物流課題解決に資する新サービスやアプリケーションの提案を国内外から広く募集するもので、最優秀賞1件、優秀賞3件、特別賞1件の合計5件が選ばれた。案件の有効登録者数は152件。

INIAD(東洋大学情報連携学部)坂村健学部長(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長、東京大学名誉教授)らによる厳正な審査の結果、最優秀賞は、岩永二郎さん・西村直樹さんによる「SSCV アシスト for Manager」が選ばれた。フレームワークスの秋葉淳一会長から表彰状が授与され、賞金200万円を獲得した。

<最優秀賞に選ばれた西村さん(左)と岩永さん、フレームワークスの秋葉会長>
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応募作品は、生成AIを利用してドライバーへ気遣いのあるフィードバックを効率的に行うというコンセプトで、今まで人間の感性に頼らざるを得なかった「気遣い」を生成AIに一部委ねることで、業界のDXを実現するというアイデアが評価された。

今回、公開データとしてドライバーの位置情報や加速度、バイタルデータ、ヒヤリハットのイベントデータ(16万件)や映像などが提供された。また、警察庁ともオープンデータパートナーとして連携し、双方のデータを活用したヒヤリハットに関する作品が多く入賞した。坂村学部長の代理として出席したINIADの別所正博 教授は、「生成AI利用の提案は出始めているが意外と少なかった。今後の可能性を感じさせるもので、来年以降に期待したい。労務管理はシステム化が遅れていた分野だが、今後DX化されることを予感させた」と講評した。

<最優秀賞>
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<入賞作品>
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このほか、優秀賞を受賞した國府大介さんは、ドライバーのバイタルデータ等を分析し「疲労度合の分析と見える化」に取り組んだ。作業負荷の高い事業所をバブルチャートで可視化することで季節性や事務所ごとの状況を把握できるというもので、これにより問題のありそうな事業所を特定でき、快適な職場環境の実現につながる。

<大和ハウス 浦川常務>
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大和ハウスの浦川竜哉 常務執行役員は「データを活用した作品が2024年問題解決の一助になることを期待したい。5つの作品は気づかない観点から気づかれた作品。今後とも物流の進化のため、皆様の英知をお借りできれば」と総評した。

また、ロジスティードの佐藤清輝 専務執行役員営業統括本部長は、「『SSSVーSafety』は自社トラック1400台に装着済みでパートナー会社にも使ってもらっている。トラックやバス、自治体でもトライアル導入しており、運転前後と点呼、運転中の生体情報を収集できる世界でも類をみないものだ。交通と物流をサスティナブルに、暮らしを豊かににしていくという我々の思いを実現するため、皆様に今後、尽力していただきたい」と激励した。

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