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ニチレイロジ/業務革新でセミナー、2024年問題対策等示す

2023年11月16日/SCM・経営

ニチレイロジグループは11月16日、東京都内でグループ事業を紹介する「ロジスティクス・ソリューションセミナー」を4年ぶりに開催した。

今回は、主催者講演としてロジスティクス・ネットワークが2024年問題対策や物流改善事例について発表を行ったほか、福岡ソフトバンクホークス前監督の工藤公康氏が、「未来を見据えた組織マネジメント~実現のための思考と行動~」と題し、特別講演を行った。同セミナーは今回で9回目の開催となる。参加人数は約250人。

<ニチレジロジグループ 梅澤一彦 社長>
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開催に先立ち、梅澤一彦 社長は「コロナ禍で価値観、行動様式は大きく変化し、昨年のウクライナ侵攻などにより大きな影響を受けた。持続可能な社会に向け、設備の自然冷媒化や車両のEV化、太陽光発電の導入、物流の共同化などを推進し選ばれる企業となることを目指したい」と挨拶。さらに、2024年問題について「対応準備が今年の最重要課題となっている。国も政策パッケージを示すなどルールチェンジに応じて新たな仕組みを作っていくことが求められている」とセミナーの開催意義を語った。

事業展開についても説明した。同社は業務革新モデルセンターとして、名古屋市に「名古屋みなとDC」(2020年4月)、横浜市に「本牧DC」(2021年3月)を開設するなど輸配送ネットワーク強化しているが、さらに2024年1月、兵庫県に「キョクレイ神戸六甲DC」を稼働させることを発表した。これにより関東・関西エリアでシームレスな輸配送スキームを構築し、顧客サービスの向上を図る。

海外では、欧州全体で16万トンの庫腹増強と、M&Aによる機能拡充を図り、川上から川下からまで物流を強化し、シナジー効果の出る物流を進める。アジアでは、ベトナム合弁会社を設立し、設備能力4万トンの新設冷蔵倉庫を2024年7月に稼働させる計画だ。

<ロジスティクス・ネットワーク 馬場園修三 常務>
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続いて、ロジスティクス・ネットワークの馬場園修三 常務執行役員(ソリューション開発本部副本部長兼SCM推進部長兼運企画部長)が、「2024年乗務員労働時間制約の取組みについて」と題し講演した。馬場園常務は、同社の2024年問題認識として「長時間労働に限定した対応となっているが、低賃金については課題を残したままとなっている。生産性向上につなげる対策が必要となる」とし、労働時間の短縮と並行して乗員員の生産性向上に繋がる施策の必要性を強調。

解決策として、同社が進めているパレタイズ運行や予約システムの導入、スイッチ運行などに加え、次世代輸配送システム「SULS(サルス)」について紹介した。SULSは、ニチレイロジグループが保有するトレーラーを活用し、中継折り返し運送を実現するというもの。グループの拠点において荷積・荷下ろしなど行うことで、ドライバーが運転に集中できる環境をつくり、労働時間削減を目指す。同スキームは冷凍、冷蔵、常温に関わらず運用でき、今後、2023年度末までにトレーラー増強し、九州から関東、東北まで稼働することを目指している。

<伊藤 剛 リテール開発部長>
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また、同社リテール事業本部の伊藤 剛 リテール開発部長は、「自動発注の高度活用による物流改革」として、小売り業で発注量をコントロールする「自動発注システム」を物流効率改善に活用する事例を紹介した。

伊藤部長は、「食品小売業界ではドライバー不足、作業員不足により商品を届けられなくなるのが課題。特に曜日波動や・便波動が大きなネックとなっている」とし、解決策として従来、小売業の店舗効率化で使わている「自動発注システム」を物流効率化に活用する取組みを紹介した。同社では便波動平準化、曜日波動平準化、発注リードタイム延長の3つに取り組んでおり、事例と改善効果についても紹介した。今後、自動発注を活用した取組みを自社倉庫で活用していくとともに、メーカーの物流改善にも範囲を広げ、SCM全体の効率化を目指したい、と結んだ。

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