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川崎汽船ほか/日本起点のCCSバリューチェーンに2社が参加

2024年02月26日/国際

石油資源開発(JAPEX)、川崎汽船、日揮ホールディングス、JFEスチールは2月26日、マレーシアにおけるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素(CO2)の回収・貯留)の事業化に向けた、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討において、中国電力と日本ガスライン(NGL)が新たに参加することに合意し、計6社による覚書を同日締結したと発表した。

JAPEX、日揮HD、川崎汽船(検討3社)とPETRONAS CCS Ventures SDN BHD(「PCCSV」)は、2023年9月にマレーシアでのCCS事業化の検討(事業化検討)に係る基本契約を締結し、2024年の基本設計作業開始とその後の設備の建設工事を視野に入れた準備作業に着手した。

この一環で、検討3社が日本からのCO2受け入れを想定した調査や候補先との協議を実施した結果、2023年6月にこの共同検討に参加したJFEスチールに加え、発電事業でのCO2排出量の更なる削減手法を検討する中国電力、および日本国内での液化CO2の内航船輸送を進めているNGLとも方向性が一致し、このほど、6社での共同検討実施の合意に至ったもの。

検討6社は、事業化検討と連携し、JFEスチールと中国電力グループが保有する日本国内の製鉄所や発電所で排出されるCO2の分離・回収、液化CO2のマレーシアまでの海上輸送(瀬戸内エリアでの内航輸送を含む)と受け入れ、貯留までの一連のバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどに係る検討を行っていく。

なお事業化検討では、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設や液化CO2の海上輸送、ならびに同国内での受入設備・海洋圧入設備など、必要な設備の仕様や費用の積算、事業スキームの詳細について検討を進めており、マレーシア国内で排出されるCO2に加えて、日本などマレーシア国外で回収されたCO2を海上輸送し、2028年末に海底下への圧入・貯留を開始することを目指している。

JAPEX、日揮HD、川崎汽船、JFEスチール、中国電力ならびにNGLの6社は、早期のCCS事業実現に向けたこの共同検討の推進を通じ、「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(Asia Energy Transition Initiative:AETI(エイティ))」が目指すアジア地域の脱炭素社会の実現をはじめとする、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。

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