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サトー/最先端RFID技術で医療機器物流の効率と正確性を向上

2024年03月05日/IT・機器

サトーホールディングスは3月5日、欧州子会社のSATO Europe ItalyがイタリアのソフトウェアインテグレーターであるSAIT社と提携し、スイスの整形外科インプラントメーカーMedacta Internationalの物流の効率化と精度向上を実現したと発表した。

<整形外科インプラントの個品管理向け、耐放射線PJM RFIDタグ>
20240305sato - サトー/最先端RFID技術で医療機器物流の効率と正確性を向上

Medacta Internationalは整形外科用インプラントの貸出品の管理に課題を抱えており、管理効率を向上させるために、手間や時間のかかる既存のバーコードシステムの代わりに、サトーが開発した最先端RFID技術「PJM(Phase Jitter Modulation) RFID」の採用を決定した。

「PJM RFID」は、国際標準規格に基づいたサトー独自のRFID技術で、読み取りスピードの速さと正確性に加え、一般的にRFIDの弱点とされる「積層」「金属」「水」の影響に強い特性を有している。また、高速かつ正確な読み取りが可能で、サトーでは宝飾品などの高額商品や管理上誤りが許されない医療品の管理などの用途で利用を見込んでいる。

Medacta Internationalでは、製品を滅菌処理する際にタグを付けたままにすると、大半のUHF帯やHF帯のRFIDタグが使用できなくなることから、製品へのタグ付けを行う場所が工場外に分散していた。「PJM RFID」は放射線への耐性を備えており、この滅菌処理工程に耐えることができるため、製品へのタグ付けを工場に集約可能になったほか、製品寿命を通して世界中の同社施設でトラッキングすることができるようになった。

また、「PJM RFID」は高速かつ一括での個品識別を行うための国際標準規格ISO18000-3に基づいており、医療機器用ハードケース内にさまざまな入れ方で密に積み重ねられた複数のタグを、重複して読み取ることもなく、高精度かつ一括で読み取ることができる。これにより、Medacta Internationalの本社では作業効率が30%以上向上し、人員の削減につながったほか、在庫管理精度100%を実現した。

「PJM RFID」は、Medacta Internationalが同技術を展開している米国、日本や、イタリアなど欧州の数か国の現場で5~15%の効率改善を実現している。現在、同社による貸出品の入出庫では、ゲートリーダーを使用して個品単位の確認を行っているのは工場と倉庫のみだが、今後は、これを同社の社内物流システムの多数の顧客接点に拡大することで、より大きな効率と精度の向上が見込まれている。

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