サトーは10月26日、QRコードと位置測位技術を用いてドライバーの待機時間を短縮するシステムを構築したと発表した。
同システムは、新潟県燕市に本社を置く三星金属工業の工場で2022年6月から導入され、ドライバーの待機時間を年間1000時間削減することに成功している。
<ドライバーに配付したタグの情報を工場内に設置したアンテナが取得し、位置情報を把握する>
同システムでは、ID情報を保有したQRコードのラベルを車両に貼り付け、入退場時にトラックが固定スキャナの前を通過するだけで受付を完了できる。
入場したドライバーには位置情報を取得するタグを配付する。タグは車両に張り付けたQRコードのIDとひも付いており、どのトラックがどのバースを利用しているのか等、状況をリアルタイムに可視化。そのうえで、長時間滞在している車両があった場合は、アラートを作業員の管理画面に表示することで、時間がかかっている要因を知り対処を迅速に行うことができ、バースの回転率向上につながる。今後は滞留時間を分析することで、レイアウトや運用改善にもつなげていく。
また、従来は到着順だったトラックの受付について、同システムで可視化したトラックの作業時間の情報をもとに予約管理をする運用に変更したことで、来場車両の分散化に加え、工場側も予約に合わせ出荷準備ができるようになった。
三星金属工業は、以前から繁忙時のトラック待機時間を課題視しており、2024年問題への対応が迫られる中で荷主側もドライバーの労働環境改善を図ることが必要と考え、同システムを採用した。今後も、同社とサトーは、共同で物流業界の課題解決に取り組んでいくとしている。
なお、同システムは日本自動認識システム協会が主催する「第25回 自動認識システム大賞」で入選している。
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