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Spectee/サプライチェーン強靭化、現場と経営層でギャップ

2024年04月03日/調査・統計

防災テ ックスタートア ッ プのSpecteeは、製造業に勤めている経営層とサプライチェーンに携わる業務担当者を対象に、「サプライチェーン強靭化」に関する調査を実施した。

<サプライチェーン強靭化の重要度>
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調査結果では、はじめに、「この1年で、サプライチェーンを強靭化することの重
要度は変化しましたか?」と質問したところ、『重要度が上がった(48.5%)』と回答した人が最も多くなった。

約半数の人が重要と回答する形となり、多くの人がサプライチェーンの強靭化を重要視していることがわかる。

次に、「あなたの勤め先では、過去にどのようなリスク事象でサプライチェーンが阻害されましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『自然災害(地震)(47.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『自然災害(風水害)(42.5%)』『感染症(36%)』と続いた。

このようなサプライチェーンの阻害を経験した人に対して「実際にサプライチェーンが阻害された際、どのようなことに困りましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『リスク事象の影響範囲を把握するのに時間がかかった(43.3%)』と回答した人が最も多く、次いで『リスク事象の発生の覚知が遅れた(25%)』、『情報連絡手段が整備されておらず、仕入先・取引先との連絡がスムーズにいかなかった(24.4%)』と続いた。

サプライチェーンの阻害を経験した人に、その際の苦労を具体的に聞いてみた結果、「外部委託先の地政学的リスクにより業務が滞った(神奈川県/50代/研究・開発)」、「部品納入がいつから再開されるか不明の為、生産ラインの再開が予測できなかった(神奈川県/50代/生産技術・生産計画)」、「被災部品の納入見通しが不明で生産計画が作れない(愛知県/50代/生産・製造)」、「部材供給が遅れ生産に支障が出た(群馬県/60代/品質管理・検査)」、「商品の納入経路が遮断されたため納期調整が大変だった(兵庫県/60代/情報システム)」、「影響する範囲を掴むのに時間がかかり、結果生産に影響を及ぼした(愛知県/50代/生産技術・生産計画)」、「関連工場が多岐に渡り、全貌の把握に時間が掛かった(千葉県/50代/経営企画・事業計画)」との意見が挙がった。

<どのようなリスクを重要視しているか>
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次に、「現在どのようなリスクを重要視していますか(複数回答可)」と質問したところ、『自然災害(地震)(68%)』と回答した人が最も多く、次いで『自然災害(風水害)(59%)』、『事故(火災・爆発など)(40.5%)』となった。過去に影響を受けた自然災害リスクを挙げる人が多く、近年懸念されている「サイバー攻撃」や「テロや紛争などの地政学リスク」は3割程度に留まった。

<リスク事象に対応するための人員や予算は>
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こうした中、「あなたの勤め先では、サプライチェーンにおけるリスク事象に対応するための人員や予算が十分に割り当てられていますか?(単一回答)」と質問したところ、『人員も予算も足りていない(35%)』と答えた人が最も多くなった。また、経営層と社員の回答を比較すると、社員は「人員も予算も足りていない」(37%)と答えた人が最多だが、経営者・役員クラスは「人員も予算も十分に足りている」(30%)との答えが最多であり、現場と経営の間で大きなギャップがあることもわかった。

次に「普段、サプライチェーンを阻害するリスク事象の覚知をどのような方法で行っていますか?(複数回答可)」と聞いたところ、『サプライヤーからの連絡(51.5%)』が最も多く、次に『インターネット・ウェブサイト(36.5%)』『納入先からの確認依頼・照会(32.5%)』となった。

こうした中、「サプライチェーンを阻害するリスク事象の覚知にどのような課題を感じていますか?(複数回答可)」と質問したところ、『情報がタイムリーに取得できない(44%)』と回答した人が最も多く、次いで『情報が正確かどうか分からない(42%)』『取得できる情報が少ない(33.5%)』となった。

最後に「今後、サプライチェーンを阻害するリスク事象への対応強化に求められるのは、どのようなことだと思いますか?(複数回答)」と聞いたところ、『サプライチェーンにおいて発生し得るリスク事象の把握(43.5%)』が最多となり、次いで『サプライチェーンの見える化(41.5%)』となった。

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