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東芝、アイオイ/マイクロ波給電利用のピッキングシステムを開発

2024年08月08日/IT・機器

東芝インフラシステムズとアイオイ・システムは8月8日、業界で初めてマイクロ波給電技術を適用したデジタルピッキングシステムの開発に成功したと発表した。

<共同開発したシステムのイメージ図>
20240808toshiba - 東芝、アイオイ/マイクロ波給電利用のピッキングシステムを開発

両社は、2022年11月に技術提携を開始し、デジタルピッキングシステムの表示器向けのマイクロ波給電システムの共同開発を進めてきた。

アイオイシステムが事業展開するデジタルピッキングシステムは、デジタル表示器を利用した作業支援システムで、工場や物流センターなどで利用されている。作業者は表示器のランプが光った場所に足を運び、表示された数だけ商品を取り出すことで誰でも簡単に、すばやく正確なピッキング作業が行える。しかし、中核機材として多数設置される表示器の電池切れによるダウンタイムと電池交換にかかる工数は、24時間稼働する物流倉庫において課題となっていた。

そこで両社は、東芝インフラシステムズのマイクロ波給電技術を適用した新たなシステムを開発。マイクロ波給電技術は数メートル離れた多数のデバイスに無線で給電ができる技術で、表示器の充電切れによるダウンタイムをなくすとともに、電池交換を不要とし、表示器のメンテナンス時間を大幅に削減する。

両社は、2023年8月に送電機と表示器(受電器)35台を用いた給電実証を実施し、送電機から全表示器に無線電力伝送ができたことを確認し、この技術の有効性を実証した。

今後、両社は、このシステムの導入により、ダウンタイムの削減と、表示器のメンテナンス(電池交換)レスを進めるとともに、デジタルピッキングシステムのレイアウトフリー化や表示器の増設・移設の自由度の向上に取り組み、物流現場のさらなる効率化を目指す。

さらに、今後両社は協業先を広げ、東芝インフラシステムズの「送電機」、アイオイシステムの「受電器」に加え、産業機器や電子部材を取り扱う技術商社の光アルファクスとTOPPANデジタルの「RF技術」および「送受電管理システム」を組み合わせ、工場やプラント、ビルや商業施設、病院などで使用されている様々なデバイスにマイクロ波給電技術を適用し、「電力=無線」となる未知の可能性に挑戦し続けるとともに、新しい未来の暮らしに貢献していくとしている。

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