東京大学大学院 システム創成学専攻 川崎研究室と、配送管理サービス「Meech」を提供するLOKIARが10月10日、共同配送のためのマッチングアルゴリズム開発の共同研究を開始したと発表した。
LOKIARが提供する配送管理サービス「Meech」は、運送会社への配送依頼や、配送物のステータスの管理が可能。全国の流通情報を収集し、データを蓄積していく仕組みとなっている。
今回の共同研究で得られた知見は、「Meech」に順次実装されていく予定だ。
現在2024年問題に直面する物流業界では、配車組みデータが個社のみで他社と共有されていない、配車組みに現場を熟知した配車マンが必須、など複数かつ喫緊の課題を抱えている。
こうした課題解決のため、「Meech」に蓄積されたデータを活用し、自動配送マッチング機能を実装していくという。ここに、川崎研究室が得意とする交通工学・交通科学・交通経済学・統計学などの手法を用いた物流システム・サプライチェーン(SC)の研究を合わせ、新たなマッチングアルゴリズムの開発を目指す。
具体的な案も出ており、「短期的な流通情報(品目、物量、配送リソース、交通状況などの日による変化)から、状況に最適な配車組みを自動作成するサービス」、「長期的な流通情報から、共同配送の実現可能性の高い会社同士の自動マッチングサービス」などの開発を進めていくという。
今回の取組について、東京大学 大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 川崎智也 准教授は、「この取り組みが、物流業界における競争力強化だけでなく、効率性向上や環境負荷の軽減に寄与すると確信している」と述べ、LOKIAR 熊谷亮 取締役CTOは「川崎准教授の知見をMeechに落とし込むことで、コンサルティング作業を機械化し、より多くの物流の困りごとを即座に解決できるシステムへ進化することを確信している」とコメントした。