大和ハウス工業は12月2日、同社による「水害リスクへの取り組み」が、環境省主催の「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞したと発表した。
「気候変動アクション環境大臣表彰」は、「気候変動の緩和」および「気候変動への適応」への取り組みに関して、優れた功績のあった個人または団体に対して、環境省が表彰するもの。
受賞対象となったのは、物流施設での水害リスクに対する取り組みだ。同社は、日本各地で発生する豪雨や洪水などといった水害リスクの低減を目指しており、浸水対策やBCP対策をした物流施設を地域の防災拠点として提供するなど、水害発生時の被害低減に努めている。
同社の物流施設では、局地的な豪雨や台風による被害を最小限にするため、物流施設の建設前に浸水リスク評価や造成時の敷地の嵩上げ、雨水貯留浸透施設の設置などによる浸水対策を積極的に進めている。また、こうした物流施設において、近隣住民の避難場所や支援物資集積場所の提供などについて定めた災害時連携協定を全国17の自治体と締結しています。
なかでも、長野県千曲市と協定を締結したマルチテナント型物流施設「DPL長野千曲」では、災害発生の際、施設内の休憩スペースの一部を開放するよう定めており、最大48人の受け入れが可能だ。
■そのほかの水害リスクに対する取り組み
・ハザードマップ上で浸水域にある当社事務所での水害対策
・災害時用の水や食料などの備蓄や災害時対応訓練の実施
・サプライヤー工場での水リスク調査
・災害時の停電において雨天でも約8日間電力を供給できる「全天候型3電池連携システム」の開発
・グリーンインフラの考えを採り入れた住宅分譲地の開発
・BCP対策をコンセプトとした民間建物の提案
・雨水を貯留、浸透させ有効活用を促すグリーンインフラ技術「メビオトープ」の開発
・浸透機能と保水機能を兼備した独自の土壌システム「レインガーデン」の構築
・衛星SARによる広域豪雨災害被害の早期把握技術の開発・実証
・気象予報データを活用した浸水アラートシステムの開発・運用
また、物流施設のほかにも施工現場に対する熱中症への取り組みや、工場における地中熱と低温排熱の冷暖房への活用においても、同賞を受賞している。
ヤマト運輸、川崎市ほか/官民連携で気候変動アクション環境大臣表彰