アルファ・ラバルは3月25日、アンモニア燃料供給システム「Fuel Conditioning Module(FCM)アンモニア」を搭載する契約を初めて締結し、海運業界の脱炭素化に向けたソリューション開発の先駆者としての位置をさらに強固なものにしたと発表した。
この「FCMアンモニア」は、Tianjin Southwest Maritime向けの7隻のLPG/アンモニア運搬船に搭載される。
アルファ・ラバルは、アンモニア燃料供給システムの契約を獲得し、アンモニアを燃料として扱うための技術的な準備が整ったことを示した。「FCMアンモニア」は、中国のCSSC中船黄埔文沖船舶の造船所で、船主であるTianjin Southwest Maritime(TSM)のために設置される。
最初に3隻の2万5000m3の船に搭載され、その後4隻の4万1000m3の船へと続く。
「FCMアンモニア」の契約は、スイスのエンジンメーカーWinGDとの緊密な協力のもとで行われた広範囲にわたるテストと開発に基づき締結された。2024年12月、WinGDのEngine & Research Innovation Centerで、燃料供給システム、燃料バルブトレイン、ベント処理システムの包括的なテストが開始された。これらのテストは、アルファ・ラバルのイタリア・モンツァ工場から提供されたシステムを使用して実施され、まずベント処理システム(アンモニア排出抑制システム)の重要なコンポーネントを検証し、その後、エンジン負荷の変動に応じた制御ロジックと性能を確認した。
最初の「FCMアンモニア」ユニットは、2025年末にTSMに納品される予定。TSMは過去にアルファ・ラバルのLPG向け燃料供給装置も採用しており、今回アンモニア燃料対応FCMも採用されることで、同社が海運業界の進化するニーズに対応し、包括的な燃料ソリューションを提供する重要な役割を改めて業界へ示す機会となるとしている。
なお、アルファ・ラバルは140年前に創業し、約100か国に販売拠点を置き、2万1300人以上の社員を擁している。ナスダック・ストックホルムに上場しており、2023年の年間売上高は636億SEK(55億EUR)だった。
商船三井/エネルギーの国際的協議会に参加 日本の海運会社で唯一