厚生労働省と国土交通省は8月4日、「働き方改革」を推進するためのPR動画「くらし、はたらき、もっとススメ」を制作。出演した俳優の玉木宏さんをゲストに招き、東京都内で発表会を行った。
2024年4月から建設業・自動車運転業に時間外労働の上限規制が適用され、1年以上が経過している。今回の動画では「改革のその先」をテーマに、より良い未来に向けた一歩を後押しする内容となっており、厚生労働省の働き方改革総合サイト「はたらきかたススメ」で公開されている。
■「くらし、はたらき、もっとススメ!」動画
発表会では、主催者を代表して厚生労働省労働基準局の川口俊徳 労働条件政策課長が挨拶。「建設業や自動車運送事業者など社会インフラとして働く方々の健康を守り、働き方改革を進めていくためには、業界だけでなく発注側や国民一人ひとりの理解や協力が必要となる。PR動画やSNSを通じて国民へ呼びかけ、国交省と提携してJRや地下鉄のビジョン広告などでも発信を行っていく」と述べた。
続いて、国土交通省 物流・自動車局の三輪田優子 貨物流通事業課長が登壇。トラックドライバーの働き方の現状や、トラック・物流Gメンの活動について説明した。
このなかで、三輪田課長はトラックドライバーが長時間労働となる原因として「荷待ちや荷待ちの問題があり、最近の調査では3時間超となっている。本来の仕事以外の時間を減らすことが、負担軽減やドライバーという職業の魅力アップにつながる」と説明。対策として現在360名で展開しているトラック・物流Gメンの活動や、4月からの法改正、さらに再配達について「直近で8.4%(2025年4月時点)となっている宅配の再配達率を6%に減らしたい」と目標を語った。
PR動画に出演した玉木宏さんもゲストとして登壇し、トークショーを繰り広げた。玉木さんは「社会問題でもある働き方改革という本当に重要なテーマに出演できて、すごく嬉しい」と感想を述べ、働くことへの指針を筆を使ったアトラクションで表現した。
玉木さんが書いた言葉は「楽しく」。「仕事でもプライベートでも皆で時間を共有するなかで、各々が楽しく過ごせるように。例え過酷な中にあっても『楽しく』という方向性に変換できればと考えています」とモットーを語った。
最後に「建設・運送は人々の生活になくてはならない大切な仕事。 そんな業界で働く人が気持ちよく働き続けられるような世の中になっていくために、PR動画が一人でも多くの人に届けば。皆で力をあわせて変えていきましょう」とメッセージを送った。
新PR動画のほか、厚生労働省は建設業や運送業等で働く人々の労働環境の改善に向けて、特設サイト「はたらきかたススメ」や、自動車運転者・建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト等において法制度や取引ルール、働き方改革推進のための取組について紹介している。
■厚生労働省「はたらきかたススメ」
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/index.html
■自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/
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