矢野経済研究所は10月9日、国内の業務用車両向けテレマティクスサービス市場を調査し公表した。このなかで2024年度のトラック・バス向けデジタルタコグラフ(デジタコ)市場は、メーカー出荷台数ベースで7万8800台と推計。デジタコは記録装置から業務支援インフラへと進化し、今後、特に通信機能を持つデジタコ需要が拡大すると予測している。
デジタコは、車両の運行状況を自動的に記録する装置で、速度・走行距離・運転時間などのデータをデジタル形式で保存できるタイプのタコグラフ。
従来のアナログ式タコグラフに比べて精度が高く、記録の改ざんが困難であることから、安全運転管理や労働時間の把握において重要な役割を果たしている。
またデジタコの用途についても、「従来の記録装置としての役割から、AIやデータ分析による運行管理の高度化や業務効率化、企業の競争力向上を支援するツールへと進化している」と分析。
特に大手の運輸事業者を中心に、通信機能を持つ通信型デジタコへの移行が進み、需要拡大に繋がっていくことが見込まれるという。
将来的には2025年度のトラック・バス向けデジタルタコグラフ市場は、メーカー出荷台数ベースで8万1200台(前年度比103.0%)と予測。
さらに今後、国土交通省や業界団体による啓発活動や補助金施策が強化されることに加え、物流関連2法の施行も相まって、2026年から2027年度にかけて通信型デジタコ導入が本格化すると見込む。
そのうえで2027年度のトラックバス向けデジタルタコグラフ市場は8万9000台(前年度比104.6%)と、堅調な成長を維持すると予測。特に大手の運輸事業者を中心に「より高度な機能を持つ通信型デジタコへの移行が加速する」との見解を示した。