食品値上げ/来春にかけ一時収束の見通しも2025年は2万品目超す

2025年11月28日/SCM・経営

帝国データバンクは11月28日、2025年12月以降の食品の値上げ動向と展望・見通しについて、主要食品メーカー195社の分析結果を公表した。

家庭用を中心とした2026年の飲食料品値上げは、11月末までに判明したもので1044品目。いぜん原材料高や物流費などのコスト増による値上げはあるものの、前年同時期に公表した2025年の値上げ品目見通し(4417品目)を大幅に下回り、来春にかけて断続的な値上げラッシュは一時的に収束する見通しとなった。

<値上げ要因の推移(品目数ベース)>
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2026年の値上げ要因をみると、2025年に続き「原材料高」(99.7%)などモノ由来の要因が多数を占める。

「包装・資材」(51.5%)、トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格へ転嫁する「物流費」(36.1%)、「人件費」(34.4%)など、サービス由来のコスト増による値上げも続いているが、2024年に比べると低下傾向にある。

<食品分野別の値上げ品目数(2022~2026年)>
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2025年1月~12月を通じた年間の飲食料品値上げは、合計2万609品目。前年(1万2520品目)を64.6%上回り、2023年(3万2396品目)以来、2年ぶりに2万品目を超えた。

食品分野別では、「調味料」(6221品目)が最多で、前年(1715品目)から大幅に増加したほか、年間では2022年以降で2番目に多い水準となった。

「酒類・飲料」(4901品目)は、清涼飲料水ほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で8割を超える大幅増。2025年における値上げの勢いは前年に比べて強い状態が続いた。

2026年は、2025年と比べてモノ由来により値上げを行う企業の割合が高まっており、天候不順による不作や価格上昇といった影響を受けた値上げが目立つ。値上げの主因がサービスから再びモノへと回帰する動きもみられる。

一方、円安水準の長期化や原油高を背景に、紙パックや食品トレー、包装フィルムなど、今冬以降に順次値上げされる見通しで、今後こうした要因の価格引き上げが広がる可能性もある。

こうしたことから帝国データバンクは、「値下げや価格据え置きが維持できる好材料には乏しく、大規模な値上げラッシュは2026年春まで、おおむね収束の傾向とみられるが、粘着的な値上げ機運は中長期的に続く可能性がある」と分析している。

食品値上げ/「物流費」要因の割合が78.7%で前年同月比10ポイント増

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